タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
月に寄りそう乙女の作法 2   Navel   25 〜 30 時間  
                                       
 
シナリオ
  
 
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
(24/30)    (16/20)    (16/20)    (24/30)    A(80)      

初めに(前書き)
今回のこのレビューでは、アペントディスクをインストールした状態で、修正
 
パッチを当てた Ver1.3 アペント の状態でゲームをプレイして、それを元に
 
レビューを書いてます。また、各項目の評価や総合点数も、アペントディスクの
 
内容も含めての評価となっています(本編だけなら、総合点数は、もう 1 点か
 
2 点ぐらいは低くなると思います)それから、月に寄りそう乙女の作法 や
 
乙女理論とその周辺 Ecole de Paris の ネタバレ もいくつかあります。これらを
 
理解された上で納得された上でレビューを読んでもらえれば幸いです。

総評
本作品を全て含めてクリアして最初に思ったのは 悔しい と言う気持ちですね。
 
この作品の主人公の才華の両親は 月に寄りそう乙女の作法 (以降前々作と
 
表記)をプレイしていればすぐに分かると思います。つまり本作は前々作の
 
特定の個別ルートの結末の延長に成り立っている物語と言う事です。それは
 
前々作と 乙女理論とその周辺 Ecole de Paris (以降前作と表記)の大半の
 
個別ルートを 否定 していると私は感じます。まあ、この辺りは人それぞれの
 
考え方や感じ方があるので一概に全てをダメと言うつもりはありませんが。
 
それでも私はどうしても前々作や前作の個別ルートの 否定 と言う部分が
 
引っかかり個人的評価は B か良くても B+ にするつもりだったんですが
 
瑠美音と言う素晴らしいヒロインが私の心にグッときたので悩んだ末に
 
しました。それが私の考えを曲げた様に感じてしまい 悔しい んですよね。
 
まあ、それだけ魅力的なヒロインだったと言う事なんですが。前々作や前作を
 
含めても、瑠美音より好きになったヒロインはいないですからね。本作品の
 
評価については、バランスが優れていて服飾関係を活かしたグラフィックに
 
素晴らしい音楽。数多くの個性的なキャラクター達に加えて魅力的なヒロイン。
 
それに引けを取らない主人公の才華の魅力。更にエストの個別ルートでの演出を
 
上手く絡めた素晴らしいシナリオ。各項目の評価は全て及第点を超えています。
 
あえて欠点をあげれば、特定の個別ルートでのシナリオの弱さぐらいですね。
 
それについても別に悪いと言う訳ではなくて及第点ぐらいのレベルとだと言う
 
だけですからね。4 つの個別ルートと共通ルート。後、アペントディスクの内容を
 
考えればシナリオの評価は及第点は超えます。本編だけの評価は 良作 より
 
少し上。アペントディスク込みで 良作 名作 の間ぐらいですかね。

あらすじとプレイについて
簡単に書くと 両親から才能を受け継ぎ沢山の愛情を注いでもらったにも
 
かかわらず、考え方の違いや環境、周囲の人々によって少々歪んでしまった
 
主人公が成長と変化を求め、フィリア学院日本校のデザイナー科で最優秀賞を
 
獲得しようとするが、敬愛する伯父からフィリア学院日本校デザイナー科の
 
男子部の廃止を聞く。しかし主人公は諦めきれずに自分の容姿を利用して
 
フィリア学院に残る主従制度を利用して付き人(メイド)として学院に通う事と
 
なる。かくして、かつてフィリア学院に在籍した伝説のメイド「小倉朝日」の名を
 
借り二代目「小倉朝陽」としてフィリア学院で最優秀賞を狙う!と言う感じです。
 

総プレイ時間は 25 〜 30 時間ぐらいです。共通ルートが 4 時間前後で個別
 
ルートがエスト以外は 1 時間半前後。エストの個別ルートは 2 時間半前後と
 
言った所です。後、ちょっと特殊なENDもあります。こちらは 10 分前後と
 
短いものですが。ここまでが本編で、これだけだとプレイ時間は 25 時間弱に
 
なると思いますが、これにアペンドディスクのプレイ時間を追加するとおそらく
 
総プレイ時間は 25 時間を超えますね。アペンドディスクには 2 つの話があり
 
プレイ時間はルナアフターアフターが 1 時間 〜 1 時間半程度。従兄妹理論と
 
その中心は 30 分 〜 1 時間程と言った所です。本編の攻略順はエストの個別
 
ルートを必ず最後にして下さい。後は基本的に自由で良いと思います。あえて
 
言うなら 春心→朔莉→瑠美音→エスト の順番をオススメとしておきます。
 
理由は私的にシナリオが徐々に盛り上がる順番だからです。先に書いた特殊な
 
ENDはお好きなタイミングでどうぞ。アペンドディスクの方は従兄妹理論と
 
その中心を先にプレイしてからルナのアフターアフターをプレイして下さい。
 
そうじゃないと時系列がぐちゃぐちゃになるので。

シナリオ
共通ルートでは 主人公がフィリア学院に入るまでの流れの中に主人公なりの
 
葛藤と苦悩と所々に入れながら驚きと笑いを交えてテンポよく進んで行って
 
自分が目指す所を少しずつ知っていくと言う感じですかね。個別ルートでは
 
ヒロインと自分のために奮闘しながら様々な事を知り、新たな自分へと変化し
 
成長していく主人公を中心に描きながらヒロイン達との関係を描いています。
 

今作も前々作や前作と同じで服飾関連の話を中心に進んで行きますが、朔莉や
 
瑠美音の個別ルートでは演劇や音楽関連の内容も結構あります。まあ、そうは
 
言っても話の中心は服飾に関わる事ですが。各個別ルートのシナリオの出来に
 
関しては ぶっちぎりで エストの個別ルートが良かったですね。前々作のルナや
 
前作のりそなの個別ルートにも勝るとも劣らない出来でしたね。エストの苦悩や
 
主人公の葛藤に加えて主人公の秘密の発覚時のエストのカッコ良さは中々の
 
ものでした。共通ルート時のあのエストからは想像もつかないですね。そして
 
終盤へかけての怒涛の展開。そして主人公の覚悟。あの一枚絵は中々衝撃的
 
でしたね。そしてショーでの演出。これは前々作にも通ずる所がありましたが
 
良かったと思います。そして最後の学院長と伯父の衣遠の会話の後に主人公が
 
自覚した自分自身の事。これが今作品の一番印象に残っている言葉ですね。
 
才能を持たない者が努力を重ねて別の才能を開花させたのが前々作と前作で
 
才能が無いからこその苦悩もありましたけど、才能があるからこそ、才能を
 
持っているがための苦悩。この辺が今作品のテーマの 1 つと言えるのかも
 
しれませんね。少なくとも、私はそう感じましたね。エストの個別ルートには
 
シナリオでは劣るとは言え瑠美音や朔莉の個別ルートも良かったと思います。
 
前者は真実を知り崩れていく瑠美音を支える主人公のカッコ良さと男らしさ。
 
主人公の男としての魅力はこの個別ルートが一番良く発揮されていました。
 
後者は何と言っても朔莉の ギャップ が最大の魅力でしょうね。あれはかなりの
 
ものだと思います。本来なら ギャップ と言うのは私の大好物なので、もっと
 
盛り上がっていたと思うんですが、あの時の朔莉の喋り方が私は、あんまり
 
好きじゃないんですよね。ただこれは、私の感じ方の問題なのでシナリオに
 
責任はないですね。むしろ朔莉を魅力的に見せると言う点においては、良く
 
出来たシナリオだったと思います。春心の個別ルートに関しては、ある意味
 
一番学院生活を楽しみ、まともな恋愛?をしていると言う印象でしたね。夢は
 
確かに大切ですし、競い合ったり一番を目指すのも良い事です。でも、それが
 
全てでは無い。大きな夢や目標よりも目の前の小さな幸せを選ぶのも悪くない。
 
と言うのが春心の個別ルートで表現したかった事なのではないかと私は勝手に
 
思っています。これはこれで悪くないと思いますが、盛り上がりやインパクトは
 
他の 3 人の個別ルートと比べると弱いと言わざるを得ないですね。それでも
 
決して悪くはないですが。で、ここまでが本編の話で、ここから先はアペンド
 
ディスクのルナアフターアフターと従兄妹理論とその中心のシナリオについて
 
書いていきます。まず、従兄妹理論とその中心についてですが、内容を簡単に
 
まとめると 本当に気持ち悪いな大蔵家 以上です。……まあ、もう少し詳しく
 
書けば小倉朝日の可愛さに翻弄される衣遠と駿河の話ですね。…いや、これが
 
一番的確に内容を書いていると思います。嘘だと思うならプレイしてみて下さい。
 
ルナアフターアフターについては、本作である 月に寄りそう乙女の作法 2 と
 
ルナのアフターを繋ぐ話で、前々作のヒロイン達の学院の卒業間近の話を前々作
 
だけではなく前作に登場したキャラクター達を交えてにぎやかに進めていきます。
 
シナリオの内容としては悪くなく、上手く話を繋げたと思いますが、前々作や前作の
 
個別ルートを 否定 された話と言うのは私は好きになれなかったですね。

グラフィック
服飾関係の話を中心にしているだけあって、グラフィックの衣装に関しては
 
力を入れています。特にクリスマスのショーについては各個別ルートごとに
 
様々な衣装を用意していた点も良いですね。特にエストの個別ルートでの
 
あの衣装と音楽の演出は素晴らしいです。一枚絵のクオリティーも良いと
 
思います。私は主人公の才華が壁ドンで瑠美音に迫る一枚絵が一番好き
 
ですね。あの時の主人公は中々男らしくてカッコ良かったと思います。
 
それと忘れてはいけないのは、エストの個別ルートで服を縫っている
 
主人公の才華の一枚絵ですね。これはこの作品で一番 衝撃 を受けた
 
一枚絵でしたね。

音楽
素晴らしい曲が沢山ありましたが、いくらアレンジをしているとは言え流石に
 
DESIRE は少々聞き飽きてきましたね。良い曲なのは良く分かりますし
 
タイトルの 三度目のオルゴール も良く合っているとは思いますが。私は
 
オープニングの Glitter のアレンジの Piano arrange が今作の中では
 
二番目に好きですね(一番は文句を言ってもやっぱり 三度目のオルゴール 
 
ですが)後はやっぱり Love Slave が印象に残っていますね。この曲は
 
使い方が抜群に上手でした。この辺りは前々作と同じですね。

キャラクター
本編で一番好きなヒロインは ぶっちぎり で瑠美音です。他の 3 人のヒロインも
 
決して悪くはないです。素の話し方を我慢すれば、朔莉の ギャップ も好きですし
 
エストの個別ルートでのカッコ良さや優しさに加えて所々で見せる可愛らしさ。
 
春心の色々と問題がありながらも天真爛漫に振る舞っている所などそれぞれに
 
魅力があるんですが、瑠美音はそれらを軽く上回る程に 可愛かった ですね。
 
普段は主人公の才華の姉として振る舞っていますけど、個別ルートに入って
 
主人公に告白された時の瑠美音の可愛さは、もう 素晴らしい ですね。主人公に
 
告白されてあたふたしている瑠美音の普段との ギャップ はもう大好きですね。
 
これこそ私の中での 理想的 ギャップの使い方 ですね。また、攻められると
 
実は弱いって言うのも良いですし、こう見えて超純粋培養って所もポイント
 
が高いですね。私の中では久々に心にグッときた姉キャラクターなんですが
 
最大の欠点は 同学年 と言う事ですね。個人的には 2 年以上。最低 1 年は
 
年上であって欲しかった。更に欲を言えばもう少しだけ甘やかしてくれれば
 
最高なんですけどね。まあ、現状でも大好きですし、前々作や前作に登場した
 
どのヒロイン達よりも好きですが。そんな瑠美音には当然劣りますが主人公の
 
才華も好きですね。前々作や前作の主人公の 大蔵遊星 小倉朝日とは性格が
 
違います。小倉朝日が穢れを知らぬ重度のMと軽度のSが混じった天使なら
 
今作の主人公、桜小路才華こと小倉朝陽は重度のSと軽度のMが混じった
 
堕天使とでも表現しましょうかね。私としては才華の方が好きですね。理由は
 
小倉朝日が完璧過ぎた事ですね。その点、才華はいくつもの欠点があります。
 
ドSが付く程の重度のSですし、シスコンとマザコンを拗らせ過ぎていますし
 
腹の中は真っ黒ですし、甘ったれのお坊ちゃんでもあります。でも、こう言った
 
所があるからこそ人間味があって良いと私は思います(まあ、傍から見れば
 
とても普通の人間ではなく超人ですが)少数意見だと言う事は十分に理解して
 
いますが。サブキャラクター達についてはもったいなかったですね。前々や
 
前々作から登場している衣遠や紅葉に壱与などは問題はないですが、今作から
 
新たに登場したラフォーレや伊瀬他。それからジャスティ―ヌと言った面々が
 
その魅力を十分に発揮してくれたのがエストの個別ルートだけだったのは残念
 
ですね。特にラフォーレには前々作や前作においての衣遠の様なポジションに
 
なって欲しかったですね。今作では衣遠がこちら側について全面的にバック
 
アップをしている分、学院生活や日常生活に緊張感がそれほどなかったのは
 
シナリオにもマイナスの影響を与えていると私は思います。まあ、その分は
 
エストの個別ルートで発揮されていたので、まだ良かったと言えますが。後
 
アペンドディスクの登場キャラクター達については、前々作や前作の良さを
 
上手く引き出していたと思います。従兄妹理論とその中心では、少々衣遠と
 
駿河が暴走していた所もありますが。ルナアフターアフターでは、前々作や
 
前作の各ヒロイン達やサブキャラクター達と主人公との掛け合いの面白さは
 
健在で、特にユルシュールの間違った日本語は久しぶりに見ましたがやっぱり
 
笑いましたね。本編だけなら評価は B+ と考えていたんですが、アペント
 
ディスクの内容も考えて最終的にはこの評価に落ち着きました。

Hシーン
回想シーンに、本編の 4 人ヒロインが各 3 回ずつで、それとは別に、ルナ
 
アフターアフターの分が 2 回あります。ルナアフターアフターとエストの
 
Hシーンでは選択肢次第ではSとMの両方のプレイが楽しめる設計となって
 
います。この辺りは前々作とルナのHシーンと同じですね。プレイについては
 
パイズリ、フェラ、お尻などと言った所ですね。

最後に一言
ルミネをあえて瑠美音と表記したのは漢字の表記が好きだからです。



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