共通ルートでは 主人公がフィリア学院に入るまでの流れの中に主人公なりの
葛藤と苦悩と所々に入れながら驚きと笑いを交えてテンポよく進んで行って
自分が目指す所を少しずつ知っていくと言う感じですかね。個別ルートでは
ヒロインと自分のために奮闘しながら様々な事を知り、新たな自分へと変化し
成長していく主人公を中心に描きながらヒロイン達との関係を描いています。
今作も前々作や前作と同じで服飾関連の話を中心に進んで行きますが、朔莉や
瑠美音の個別ルートでは演劇や音楽関連の内容も結構あります。まあ、そうは
言っても話の中心は服飾に関わる事ですが。各個別ルートのシナリオの出来に
関しては
ぶっちぎりで エストの個別ルートが良かったですね。前々作のルナや
前作のりそなの個別ルートにも勝るとも劣らない出来でしたね。エストの苦悩や
主人公の葛藤に加えて主人公の秘密の発覚時のエストのカッコ良さは中々の
ものでした。共通ルート時のあのエストからは想像もつかないですね。そして
終盤へかけての怒涛の展開。そして主人公の覚悟。あの一枚絵は中々衝撃的
でしたね。そしてショーでの演出。これは前々作にも通ずる所がありましたが
良かったと思います。そして最後の学院長と伯父の衣遠の会話の後に主人公が
自覚した自分自身の事。これが今作品の一番印象に残っている言葉ですね。
才能を持たない者が努力を重ねて別の才能を開花させたのが前々作と前作で
才能が無いからこその苦悩もありましたけど、才能があるからこそ、才能を
持っているがための苦悩。この辺が今作品のテーマの 1 つと言えるのかも
しれませんね。少なくとも、私はそう感じましたね。エストの個別ルートには
シナリオでは劣るとは言え瑠美音や朔莉の個別ルートも良かったと思います。
前者は真実を知り崩れていく瑠美音を支える主人公のカッコ良さと男らしさ。
主人公の男としての魅力はこの個別ルートが一番良く発揮されていました。
後者は何と言っても朔莉の
ギャップ が最大の魅力でしょうね。あれはかなりの
ものだと思います。本来なら
ギャップ と言うのは私の大好物なので、もっと
盛り上がっていたと思うんですが、あの時の朔莉の喋り方が私は、あんまり
好きじゃないんですよね。ただこれは、私の感じ方の問題なのでシナリオに
責任はないですね。むしろ朔莉を魅力的に見せると言う点においては、良く
出来たシナリオだったと思います。春心の個別ルートに関しては、ある意味
一番学院生活を楽しみ、まともな恋愛?をしていると言う印象でしたね。夢は
確かに大切ですし、競い合ったり一番を目指すのも良い事です。でも、それが
全てでは無い。大きな夢や目標よりも目の前の小さな幸せを選ぶのも悪くない。
と言うのが春心の個別ルートで表現したかった事なのではないかと私は勝手に
思っています。これはこれで悪くないと思いますが、盛り上がりやインパクトは
他の 3 人の個別ルートと比べると弱いと言わざるを得ないですね。それでも
決して悪くはないですが。で、ここまでが本編の話で、ここから先はアペンド
ディスクのルナアフターアフターと従兄妹理論とその中心のシナリオについて
書いていきます。まず、従兄妹理論とその中心についてですが、内容を簡単に
まとめると
本当に気持ち悪いな大蔵家 以上です。……まあ、もう少し詳しく
書けば小倉朝日の可愛さに翻弄される衣遠と駿河の話ですね。…いや、これが
一番的確に内容を書いていると思います。嘘だと思うならプレイしてみて下さい。
ルナアフターアフターについては、本作である 月に寄りそう乙女の作法 2 と
ルナのアフターを繋ぐ話で、前々作のヒロイン達の学院の卒業間近の話を前々作
だけではなく前作に登場したキャラクター達を交えてにぎやかに進めていきます。
シナリオの内容としては悪くなく、上手く話を繋げたと思いますが、前々作や前作の
個別ルートを
否定 された話と言うのは私は好きになれなかったですね。