タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
月に寄りそう乙女の作法   Navel   25 〜 30 時間  
                                       
 
シナリオ
  
 
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
(25/30)    (16/20)    (16/20)    A+(26/30)    A(83)    B+   

初めに(前書き)
このレビューは、乙女理論とその周辺 Ecole de Paris -Limited Edition- の
 
封入特典であるアドペントディスクをインストールして修正パッチを当てた
 
Ver2.3 アペント の状態でプレイして、それを元に書いています。また
 
私個人としては、アドペントディスクなしの状態だとこのゲームの魅力を
 
十二分に発揮出来ないと考えています。そう言う考えを持った人物が、この
 
レビューを書いていると理解された上で納得された方のみ読んでもらえれば
 
幸いです。

総評
全体的なバランスが優れていて、特に魅力的なヒロイン達に劣らないぐらいに
 
主人公が 可愛く まるで 天使 と言っていいレベルです。やっぱり女装主人公は
 
女性からも迫られるぐらいの可愛さと魅力があってしかるべきですからね。また
 
それをグラフィックで十分表現出来ていると思いますし、それに見合うレベルの
 
シナリオと音楽だと思います。後、本格的にこのゲームを楽しむなら追加の
 
アドペントディスクは 必須 と言って良いと思います。もちろん、小倉朝日の
 
フルボイスも重要な要素ですが、各ヒロインのアフターストーリーがそれぞれ
 
優れていて中々の出来だと思います。この、アドペントディスク抜きの状態で
 
評価をするなら、個人的評価は B で、総合点数も後 2 点ぐらい低くなると
 
思います。それでも良作クラスの出来はありますけどね。

あらすじとプレイについて
簡単に書くと 日本有数の財界一族の末端に生まれた主人公、大蔵遊星は
 
籠の中の鳥として幼少期を過ごした後、大蔵家の次期当主候補でもある
 
腹違いの兄に救われて人並みの夢を見る。しかし、その夢もかなわず再び
 
兄の元で籠の中の鳥となろうとしていた。だが、それでも夢を諦められず
 
腹違いの妹の助けも借り女装をして小倉朝日と名を偽り、とあるお嬢様の
 
メイドとなって夢を追い続ける。と言う感じですね。
 

本編の総プレイ時間は 20 〜 25 時間です。ただ、アドペントディスクの
 
各ヒロインのアフターとおまけシナリオがトータルで 5 時間前後あるので
 
最終的な総プレイ時間は 25 〜 30 時間ぐらいになると思います。本編の
 
共通ルートは 3 時間半前後。個別ルートは 1 時間半前後ですが、ルナの
 
個別ルートは 2 時間半前後ぐらいはかかると思います。また、個別ルート
 
以外のエンディングも 1 つあります(以降ここでは if ENDと表記します)
 
こちらは 10 分程度の短いものですが。アドペントディスクの各ヒロインの
 
アフターは 30 分 〜 1 時間ぐらいですが、ルナのアフターは選択肢の
 
関係でエンディングやHシーンが分岐するので既読部分を全て飛ばしても
 
1 時間半以上はかかると思います。おまけシナリオの方は 30 分前後と
 
言った所ですね。本編の攻略順については 本作品の事だけ を考えると
 
湊→瑞穂→ユルシュール→ルナ と進めて自由なタイミングで if ENDを
 
やれば良いですが、次回作の 乙女理論とその周辺 Ecole de Paris を
 
プレイする事を前提とするなら 一番最後に if ENDをプレイして下さい。
 
これが次回作への始まりとなるので。アドペントディスクの各ヒロインの
 
アフターとおまけシナリオは、プレイする順番については自由で良いと
 
思いますが、本編と次回作 乙女理論とその周辺 Ecole de Paris を
 
終わらせてからプレイする様にして下さい。多少のネタバレがあるので。

シナリオ
共通ルートでは 主人公の幼少期の回想から始まり、現在へと至り、夢を
 
追いかけるために女装してメイドとなり才能と現実を知っていくと言った
 
流れで、個別ルートでは 自分の正体や立場に苦慮しながらも、好きな人や
 
夢のために奮闘する主人公と、才能、立場、境遇など様々な問題があっても
 
進み続けるヒロイン達との関係を描いています。
 

服飾業界の話を中心に進んでいくためファッション関係に疎い人は序盤は
 
その手の用語に戸惑う事は多いと思います。(私は服は着られれば何でも
 
いいって人間なので特にそうでした)まあ、何となくでも意味が分かって
 
くれば、そこまで戸惑う事はなくなって来ると思いますが。それよりも私は
 
籠の中の鳥が意志を持ち、夢を見て羽ばたいていく これが主人公に
 
当てはまると思いますし、そう言う内容だったと思います。それを意識して
 
あのオープニングの演出だったと思います。各ヒロイン達の個別ルートは
 
内容、演出、音楽、キャラクター、全てにおいてルナが一段上だと言えると
 
思います。特に終盤での SHINY MOON が流れた場面では、音楽と
 
演出が上手に合わさってとても良いシーンになっていました。それだけで
 
なく、ルナと言うキャラクターの魅力を存分に発揮できる様なイベントが
 
満載な上に、シナリオの中身も自分の正体や立場に苦慮しながらも、若い
 
才能あふれるデザイナーの元で少しずつ自信を持ち、愛するルナのために
 
自分が畏怖する相手に立ち向かう意志を持ち進んでいくと言うこの流れは
 
とても良く出来ていたと思います。また、本編やアフターでもシナリオの
 
量の面でも他のヒロイン達と比べても優遇されたヒロインだと思います。
 
まあそれでも私は、ユルシュールの個別ルートの方が好きなんですけどね。
 
一言で言うなら 努力で才能に挑む と言うのがユルシュールの個別ルートの
 
中身です。よく言えば王道。悪くいえばありきたりですが、中身のが優れて
 
いれば、ありきたりでも十分に良い話になると証明してくれた内容でしたね。
 
キャラクターの魅力についてもシナリオ内で十分に見せてくれましたし、私は
 
ルナの個別ルートのシナリオにも決して劣ってないと思いますが、それでも
 
音楽や演出、アフターストーリーの内容まで加えた 総合力 と言う点では
 
残念ながら負けを認めざるを得ないですね。それだけルナの個別ルートや
 
アフターストーリーの内容が素晴らしい出来だったとも言えますが。また
 
この 2 人の個別ルートには多少劣ると私は思いますが、湊や瑞穂の個別
 
ルートの出来も及第点以上でした。瑞穂の過去のトラウマや主人公側の
 
妨害を乗り越えて進んでいったり、湊の立場の違いから発生した問題や
 
困難を主人公と一緒に突破したりとそれぞれのシナリオで強い意志を持ち
 
進んでいく主人公とヒロイン達の話は素直に良い出来だと思いました。また
 
アフターストーリーで本編内で解決しなかった問題などのフォローも改めて
 
調整している点も良かったと思いましたね。

グラフィック
良い出来だと思います。服飾関係の話が中心になっている分、衣装にも
 
力を入れていましたね。贅沢を言えば、もう少し衣装や一枚絵の内容の
 
クオリティーが優れていれば、もう一段上の評価をしていたと思います。
 
一枚絵では、朝日の可愛さを良く表現出来ていたと思います。それでも
 
私のお気に入りの一枚絵は、ベッドの横で制服を着てこっちを見ている
 
ルナの一枚絵ですが。このシーンではルナの普段とは違う様々な表情が
 
一枚絵で良く表現出来ていたと思います。

音楽
オープニングの DESIRE も良い曲でしたけどサビの少し前の鳥籠から
 
鳥が羽ばたいて飛び出し、それが主人公に変わると言うこの演出は、歌詞も
 
含めて 素晴らしい出来 だと思います。それ以外だと SHINY MOON は
 
ルナの個別ルートで流れた時は、これまた演出が良いだけでなく、歌詞と
 
メロディーが上手く合わさって良い曲になっていました。後は、やっぱり
 
愛を拒み覇道をゆく天才のテーマ が強く印象に残っていますね。まさしく
 
タイトル通りの主人公の兄にぴったりのメロディーだと思います。

キャラクター
一番好きなヒロインについては、やっぱりユルシュールですかね。もちろん
 
他のヒロイン達が嫌いと言う訳ではないですが。むしろルナなんて本来なら
 
普段のSっ気の強い部分と時折みせる優しさや可愛さとの ギャップ なんて
 
私のストライクゾーンど真ん中なんですけど、それ以上にユルシュールが
 
とても 可愛かった ですね。普段の誇り高い印象から一変して恋人関係に
 
なると末妹らしい甘えん坊な一面を見せたりします。その時の ギャップ
 
可愛さ にやられましたね。その 2 人だけではなく、湊の献身的な優しさや
 
瑞穂の頑張りや意志の強さなども好きですね。ただ、そんなヒロイン達を
 
あざ笑うかの如く主人公でもある小倉朝日の 女子力 の高さと、にじみ出る
 
献身的な行動や純粋無垢過ぎる性格。もはや 聖女 (性別違うけど)と言う
 
言葉すら陳腐に聞こえるこの主人公の前では 魅力 と言う点では劣ると
 
言えますね。また、普段はおとなしいですが、自分の意志が明確になって
 
からは、大きな力に勇敢に立ち向かう男らしさを見せたりと ギャップ も持ち
 
幼少期の経験と教育で様々な事を人並み以上にこなせると言う、ある意味
 
超人ですね。これだけの 魅力 を持っているからこそ、同性、異性、共に
 
好かれますし、性別を知らないヒロイン達の中には真剣に同性愛について
 
悩むと言う事態になったりもします。まあ、それだけ主人公が魅力がある
 
キャラクターだと言う事ですね。サブキャラクター達については個性的な
 
人物が多く、各ヒロイン達の従者達も一癖ある人物ばっかりです。彼らに
 
ついて一言でまとめるなら、ヤンデレ、ホモ、男装、と言うかなり濃いメンツ
 
ですからね。それらのメ ンツに負けてないのが、主人公の異母兄妹である
 
妹のりそなと兄の衣遠ですね。妹のりそなはブラコンをおかしな方向に
 
拗らせていますけど、彼女のおかげで主人公は籠の中の鳥から脱出して
 
夢を追いかける事が出来た訳ですし、様々な場面で主人公を助けたりも
 
しています。そんな妹の事を主人公も十分に可愛がっていますね。一方
 
兄の衣遠は才能至上主義を掲げ、才能が無かった主人公を嫌っています。
 
ただ主人公はかつて自分を救ってくれた兄に深く感謝をしていて、1 人の
 
デザイナーとしても尊敬しています。まあ、この 2 人の関係については
 
次回作の 乙女理論とその周辺 Ecole de Paris で詳しく描かれています。
 
ただ本作でもこの 2 人の関係については本編やアフターストーリーの方で
 
様々な結末を迎えているので、そこにも注目して欲しいですね。

Hシーン
回想シーンに、湊が 4 回で、それ以外のヒロインが 3 回収録されて
 
います。アドペントディスクをインストールしていれば、これにアフター
 
ストーリー内の各ヒロイン 2 回と+αが追加されますので、回数的には
 
そこそこありますが、実際にはオナニーだけのシーンなどもあるので
 
それほど多くは感じないと思います。プレイについては、パイズリとか
 
フェラなどがあります。ここから先は私の持論なんですが、そもそも
 
Hシーンに関して は主人公のボイスは不要だと私は、思っています。
 
実際、大蔵遊星として臨むヒロイン達のHシーンではボイスは不要だと
 
思いますが、小倉朝日として臨むヒロイン達のHシーンでは、ボイスは
 
あっても良いと感じました。特にルナに物理的な意味で責められるあの
 
Hシーンにおいては、小倉朝日のボイスがあるからこそ十分に楽しめたと
 
思っています。

最後に一言
大蔵兄妹に不満のある人は 乙女理論とその周辺 Ecole de Paris を
 
プレイすれば考えが変わるかもしれませんね。



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