共通ルートでは 主人公の幼少期の回想から始まり、現在へと至り、夢を
追いかけるために女装してメイドとなり才能と現実を知っていくと言った
流れで、個別ルートでは 自分の正体や立場に苦慮しながらも、好きな人や
夢のために奮闘する主人公と、才能、立場、境遇など様々な問題があっても
進み続けるヒロイン達との関係を描いています。
服飾業界の話を中心に進んでいくためファッション関係に疎い人は序盤は
その手の用語に戸惑う事は多いと思います。(私は服は着られれば何でも
いいって人間なので特にそうでした)まあ、何となくでも意味が分かって
くれば、そこまで戸惑う事はなくなって来ると思いますが。それよりも私は
籠の中の鳥が意志を持ち、夢を見て羽ばたいていく これが主人公に
当てはまると思いますし、そう言う内容だったと思います。それを意識して
あのオープニングの演出だったと思います。各ヒロイン達の個別ルートは
内容、演出、音楽、キャラクター、全てにおいてルナが一段上だと言えると
思います。特に終盤での SHINY MOON が流れた場面では、音楽と
演出が上手に合わさってとても良いシーンになっていました。それだけで
なく、ルナと言うキャラクターの魅力を存分に発揮できる様なイベントが
満載な上に、シナリオの中身も自分の正体や立場に苦慮しながらも、若い
才能あふれるデザイナーの元で少しずつ自信を持ち、愛するルナのために
自分が畏怖する相手に立ち向かう意志を持ち進んでいくと言うこの流れは
とても良く出来ていたと思います。また、本編やアフターでもシナリオの
量の面でも他のヒロイン達と比べても優遇されたヒロインだと思います。
まあそれでも私は、ユルシュールの個別ルートの方が好きなんですけどね。
一言で言うなら
努力で才能に挑む と言うのがユルシュールの個別ルートの
中身です。よく言えば王道。悪くいえばありきたりですが、中身の
質 が優れて
いれば、ありきたりでも十分に良い話になると証明してくれた内容でしたね。
キャラクターの魅力についてもシナリオ内で十分に見せてくれましたし、私は
ルナの個別ルートのシナリオにも決して劣ってないと思いますが、それでも
音楽や演出、アフターストーリーの内容まで加えた
総合力 と言う点では
残念ながら負けを認めざるを得ないですね。それだけルナの個別ルートや
アフターストーリーの内容が素晴らしい出来だったとも言えますが。また
この 2 人の個別ルートには多少劣ると私は思いますが、湊や瑞穂の個別
ルートの出来も及第点以上でした。瑞穂の過去のトラウマや主人公側の
妨害を乗り越えて進んでいったり、湊の立場の違いから発生した問題や
困難を主人公と一緒に突破したりとそれぞれのシナリオで強い意志を持ち
進んでいく主人公とヒロイン達の話は素直に良い出来だと思いました。また
アフターストーリーで本編内で解決しなかった問題などのフォローも改めて
調整している点も良かったと思いましたね。