共通ルートは 主人公達が住む深見の地で巻き起こる妖異と人との
問題を調和する魔法使いの御役目とそれに伴って起きる現象を中心に
描写しています。個別ルートはそれぞれのヒロインが抱えている
問題だったり感情を主人公と一緒に解決したり乗り越えたりする
過程の中での選択などを中心に描写しています。
細部の丁寧さ これが足りなかったです。共通ルートの序盤の部分。
妖異に関する知識がプレイヤーにほとんどないままで進むので
人によっては戸惑うと思います。まあ、ここはまだ許容範囲だと
個人的には思いますが、個別ルートについては話が別です。白の
個別ルートは特に足りてないです。ですがその前に他の 3 人の
個別ルートについて書きたいと思います。まずは花子とみだりの
個別ルートから書きます。両者について共通して言える事は妖異や
主人公の事情に対する内容よりも恋愛方面を中心に描写している
ので、シナリオの
完成度 としては低めです。ですが、個人的には
みだりの個別ルートに対する満足度はかなり高いです。逆に花子の
個別ルートの満足度は高くありません。これを分けた理由は、まあ
やっぱり無駄な戦闘シーンですね。みだりの個別ルートは確かに
茶番とも言えるシーンもありましたし、シナリオの完成度は前に
書いたように低いです。それでもみだりと言うヒロインが主人公に
対してどのような感情を持ちそれを伝え恋仲になる。イチャイチャ
しながら、みだりの可愛さをしっかりと描写していたのに対して
花子の個別ルートは恋というものを知る事を序盤は描写していて
これ自体は悪くないですし、こうやって始まっていく事を否定
する気はありません。だからこそ終始それでいけばいいのに終盤で
あの戦闘シーンをもってきた事は理解に苦しみます。そもそも
このゲームは、そう言った戦闘と言うものを重視していない事は
共通ルートの描写を見れば明らかです。終始、恋と言うものを
中心に描写していればシナリオの完成度は低いままでも、きっと
花子と言うキャラクターに対する思いはきっと変わっていたはず
です。さて次は由岐奈の個別ルートについてです。個人的にこの
由岐奈の個別ルートは表。白の個別ルートは裏と思っています。
由岐奈の個別ルートでは様々な謎の多くが明らかになり
選択 が
重要なテーマの 1 つになっています。由岐奈の友人でもある蒔奈。
彼女との関係も見どころです。しかしながら、この個別ルートも
細部の丁寧さ が足りてないんですよね。全体的な描写が悪くない
だけに余計にそう言った部分が気になってきます。印象的なのは
一番最後のエピローグです。ネタバレになるので書きにくいですが
プレイヤーに委ねるのではなくどうなったかを書いて欲しかった
です。それが無理ならせめて方向性ぐらいは示唆して欲しいです。
さて、いよいよラストの白の個別ルートについてです。最初に
言える事は安易な選択を選ばなかった事は評価したいです。まあ
正解はないので、安易な選択を選んでも誰も責める事は出来ない
ですけどね。しかしこの選択を選ぶならキチンと決着をつける
必要のある相手が主人公にはいますし、やるべき事もいくつか
残っていますよね。そう言った
細部の丁寧さ が欠けています。
私は主人公の選択が駄目と言うつもりもないですし、個別ルートも
十分高い評価をしています。十分な評価をしているからこそ、そう
いった部分が気になるのです。シナリオの完成度が高ければ高い程
細部の丁寧さ は大切にしなかればなりません。そう言った事が
出来ているシナリオこそが
名作 と呼ばれるべきだと個人的には
思っています。残念ながらこのゲームの個別ルートはそう呼べる
ものではなかったですが、由岐奈や白の個別ルートには、その
可能性が見えたために余計に残念に思ってしまいます。