共通ルートは 選択したヒロインと役割と共通部分を繰り返しながら話が
進んでいき、友人、気になる異性と少しずつ互いを意識していき、恋人
関係になるまでを描写しています。個別ルートでは それぞれの過去や
新たな一面。そして深まる互いの関係を中心に描写しています。
同じ寮に住むという事によるヒロイン同士のやり取りや会話は賑やかで
良かったと思いますし、個別ルートに入ってからの主人公とヒロインに
よるイチャイチャに突っ込みを入れる別のヒロインと言うのも個人的に
悪くはないと思います。
ヒロイン同士の賑やかな交流 と言うのも、この
ゲームの 1 つの魅力です。主人公とヒロインだけでなくヒロイン同士の
少しずつ仲良くなっていく過程も描写しているのも、このゲームの特徴
ですね。体験版の時点で少し気になっていた下ネタの多さと、主人公の
魅力の描写も個人的には許容範囲ではありますけど、この辺りは多少
気になる人もいそうですね。ただ、主人公の魅力については、晴の個別
ルートが一番良かったと思います。この個別ルートで主人公はあくまで
晴をサポートする事に徹していて、それまでよりは多少真面目に行動を
しています。この辺りの描写のバランスが私の感覚と上手くマッチして
読んでいて楽しかったです。他の 3 人の個別ルートでも下ネタの多さは
ともかくとして、ヒロイン達の心情や魅力。主人公の行動や魅力と言った
部分については及第点以上の出来と言えると思います。少し気になった
点は各エピソード事の笑いのツボとサブキャラクターの扱い方ですね。
前者はシナリオライターの描く描写と上手く共感出来ないとどうしても
しらけてしまう所です。体験版の時点でも若干その傾向はありましたが
「これは流石にないだろう」と思うシーンが、いくつかありましたね。
この辺りはシナリオライターとの相性の問題でもありますので、私の
感受性の問題ですが、後者に関しては、プレイした多くの人に共感して
もらえると思います。今回は、男性のサブキャラクターとしてピロシと
晃と言う 2 人のサブキャラクターが登場しますけど、この 2 人の役割が
どうにも「いるの?」と思ってしまうんですよね。もし男性的な視点が
欲しいだけなら、そこらのモブキャラにでもさせておければいいですし
主人公とヒロインの関係性に茶々を入れるだけなら、他のヒロイン達が
既に寮で散々やっていますからね。出番がそこそこあるだけに必要性が
どうしても感じられないんですよね。例えばうらやましがりながらも
一応は祝福するとか。悩んでいる主人公の背中をグッと押すと言った
そういうような描写があってもいいと思うんですけどね(一応それに
近い描写はありますけどアレはそう呼べる程の描写じゃないので)その
辺りも上手く描写出来ていれば、シナリオだけでなくキャラクターの
評価も上がると思うんですけどね。最後にこのゲーム独自のシステムの
役割セレクトとルームアクションについて書いて終わりにします。まず
前者についてですが、選んだ役割によって共通部分で、その役割による
ちょっとしたエピソードが追加されます。こちらは合ってもなくても
どちらでもいいかなと私は感じました。ただ、一部は面白い話もあった
のでマイナスにはなっていないと思います。後者はヒロインの部屋を
物色すると言う話なんですが、こちらは恋人関係になる前となった後と
二つのバージョンがありその違いを楽しめるだけでなく、プレイヤー
自身で物色する度合いを選べると言った配慮もあり、これについては
私は割と良いと思っています。二つのバージョンの違いを楽しんだり
ヒロイン達の以外な一面を垣間見たりとヒロイン達を良く知るのにも
一役買っていたと思います。