タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
白恋サクラ*グラム   NanaWind   20 〜 25 時間  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
C(18/30)    A+(17/20)   (16/20)   B+(23/30)   B(74)     
 
初めに(前書き)

今回のレビューは 春音アリス*グラムWパッケージ に
収録されている 白恋サクラ*グラム のレビューです。
こちらは単品の 白恋サクラ*グラム に新キャラクターの
リリエトの個別ルートを追加してコンシューマー版に収録
されている朝陽の個別ルートをHシーン付きで逆輸入して
います。それ以外にも現在はダウンロードが終了している
Hシーンのアペンドパッチなども収録されている形なので
完全版 白恋サクラ*グラム と言っていいです。なので
純粋な 白恋サクラ*グラム よりも総合点数や個人的
評価も高いです。それから、ここのメーカーの前作である
ALIA's CARNIVAL!(以降前作と表記)との繋がりを意識
したシナリオがあるので、春音アリス*グラム(以降は
本編と表記)よりも前作をプレイしていた方が更に楽しく
なると思います。まあ、簡単にまとめると最大限に近い
ぐらい バフ効果 がかかっている状態でプレイしたと認識
してください。後は 白恋サクラ*グラム(以降本作と
表記)は本編のファンデスクですので、本編の内容が一部
ネタバレ している場合があります。ここまで長いですが
これらの内容を理解した上で納得された方に読んで頂ければ
幸いです。

総評

正直、単品の 白恋サクラ*グラム を買った人に喧嘩を
売っている総合評価だと思っています。発売当時はもっと
ボリュームも少なくて、追加アペンドで補填されていった
形ですからね。しかもリリエトと朝陽の個別ルート(H
シーン込み)は結局 春音アリス*グラムWパッケージ に
しか収録されなかった訳ですから。ですがこのレビューは
「初めに(前書き)」でも書いているようにあくまでも
春音アリス*グラムWパッケージ に収録されている中の
白恋サクラ*グラム のレビューですからこれぐらいの
総合評価になっている訳です。長々と書きましたがこれは
大切な事なので改めて書かせていただきました。では本題に
入りますが、シナリオ以外は相変わらず高いクオリティーを
維持しています。前作のBGMを一部使用していますが、質の
高い音楽。相変わらず美しく可愛さのあるグラフィックに
サブキャラクター達に短いながらも掘り下げを加えたり
新ヒロインや追加ヒロインも魅力的に描写出来ています。
本当にシナリオさえ良ければ自信をもって勧められ…いや…
やっぱり、この売り方には正直思う所があるので、あまり
おススメは出来ないですね。ちなみに本編のレビューで少し
書いていた「シナリオの問題点はファンデスクで解消され
れば嬉しい」については一部解消されました。まあ、それ
でも評価出来る内容ではなかったですけどね。最終的には
春音アリス*グラムWパッケージ として見た場合は一応
及第点の評価は出来ると思います。これまでの売り方と
シナリオの不評に眼をつぶればですけどね。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 本編ヒロイン達の各個別ルートのその後を
描いたアフターストーリーに加えて、生徒会副会長の朝陽と
主人公の妹の梢との恋愛描写を描いた追加ルート。そして
前作の舞台である「桜雲台学院」に今作の主人公とヒロイン
達が学園交流を行う桜雲旅行編。そしてどこぞのラノベで
ありそうな異世界ファンタジー要素満載の悠久の異世界編。
…決して明ける事のない冬の世界。永遠の白編。更に新しい
ヒロインの天雨リリエトの個別ルート。これ以外にも既存の
サブキャラクターにスポットを当てたショートストーリーも
用意されていてボリュームは十分といった感じですね。
 
総プレイ時間は 20 〜 25 時間です。本編ヒロイン達と梢の
個別ルートが 1 時間ぐらいで、朝陽とリリエトの方はそれ
よりも少し長くて 1 時間半ぐらいです。桜雲旅行編の方は
既読部分をスキップする事を前提にすれば 3 時間ぐらいで
悠久の異世界編はHシーンを除き既読部分をスキップして
5 時間ぐらいでしょうか。。永遠の白編の方は 3 時間前後
だと思います。ショートストーリーの方は全部見ても多分
1 時間もかからないはずです。これら全部を足した時間が
最初に書いた総プレイ時間ですが、実はこれ以外にも本編の
共通ルートもプレイすることが出来ます。これを追加すれば
総プレイ時間は 30 時間を超える可能性も出てきます。一応
これは全スキップ機能があるので、もう一度見たい人以外は
全て飛ばす事が可能です。ただ、一度は全スキップでもいい
ので、選んでおかないと梢の個別ルートが開放されないので
少し面倒ではあります。攻略順についてですが開放手順が
かなりややこしいので基本的に本編ヒロイン達のアフターを
全て見てから、本編共通ルートを見る。または全スキップ後
ショートストーリーをどれか 1 つ見てから梢の個別ルートを
クリア。そして永遠の白編をクリアしてから桜雲旅行編を
クリアして悠久の異世界編を 2 度クリアしてからリリエトの
個別ルートで締める形になると思います。朝陽の個別ルートは
開放されたタイミングでどうぞ。

シナリオ

まずは、本編ヒロイン 5 人と梢と朝陽の個別ルートから書いて
いきます。これに関してはトータルで見れば、普通〜及第点の
間ぐらいの評価ですね。本編と同様に一葉やエリスは色々と
無理や矛盾に加えて「また、その展開かよ」と文句を言いたく
なる場面もありましたし、耶々の方もリリエトのポンコツな
部分やちょっと強引すぎない?と思う所もあります。一方で
雪の方は本編での悠久の場所関連の内容に触れながらも先の
未来を考えて行動をしていく少し成長した雪が見れましたし
優理も展開はやや強引でしたけど、彼女との絆を深めながら
過去を乗り越える描写は悪くなかったですね。梢と朝陽ですが
前者は限られた尺の中で表現出来る努力は垣間見えましたが
全体的には描写不足が目立ちましたね。兄妹で恋する葛藤や
周りの反応。過去の掘り下げや梢自身の魅力的な部分を見せる
などもっと描写して欲しいとは思いました。後者は生徒会の
副会長で朝陽の姉が前会長という事で生徒会関連の話が少し
出てきます。そしてプレイヤーは本編の優理の個別ルートで
どういった事情があって朝陽の姉が会長を辞任したのかを
知っています。ここを知った上で、最後の方に朝陽が姉に
対して放った言葉は姉から見て朝陽の成長を感じられたの
ではないでしょうか?ここは素直に良く出来ていたと思い
ましたね。また、恋愛描写においても、少し意地っ張りな
朝陽の言動を上手く取り入れながら描写出来ていたのでは
ないかなと感じます。続いて永遠の白編…と行きたいですが
先に桜雲旅行編の方を書きます。こちらは前作をプレイして
いない人は評価が落ちると思います。私はそれなりに前作を
プレイしていたので楽しめたのですが、一部のヒロインを
除いて喋らないのでそこは残念ですね(まあ、これは製作の
都合上の問題もあるので評価が難しいですが)個人的に一番
評価したいポイントは大きな桜の木の下で本作の主人公が
とある人物と会話するシーンですね。あれは正直、前作を
プレイしてそれなりに楽しめた人なら感動するシーンだと
思います。そしてそれと双璧を成すのが桜雲旅行編ラストに
前作ヒロインの明日香と月詠から渡されるとある物ですね。
これをとある人物に渡したときのシーンも前作をプレイした
人ならきっと「ああ。良かったな」と思えるはずです。と
ここまで読んだのなら分かると思いますが、桜雲旅行編は
前作をプレイした人なら良いと思えるシーンが多いのですが
そうじゃないプレイヤーにとってはそこまで評価出来る物
ではないんですよね。だからこそ本編と本作だけで評価を
すれば並みかそれ以下の評価にしかならないと私は考えて
います。続いて悠久の異世界編についてです。こちらは正直
わざわざ主人公を異世界っぽい所に飛ばして冒険する話を
本作で見たいか?と問われると「そんな話を作るなら梢や
本編ヒロインのアフターをもっと力を入れて描写した方が
ファンは喜ぶんじゃないか?」と強く思いますね。だって
エフェクトや立ち絵もそうですが設定もそれなりに考えて
描写されていて、単純なシナリオの評価なら並みぐらいの
出来はあると思います。あえて良かった点をあげるとすれば
この設定だからこそ描写がしやすいHシーンがあるぐらい
ですかね?さて、いよいよ後に回していた永遠の白編です。
ここまで引っ張っておいてなんですが、こちらについては
シナリオとして 評価すれば正直並み以下だと思います。だって
あまりにも解釈というかご都合主義や説明不足が目立つ上に
そもそも永遠の白編は本編でどの個別ルートを通ったのかが
分からない所も問題だと思います。私が想定する個別ルートを
通った場合、矛盾がいくつか発生します。かと言って他の
個別ルート、あるいは個別ルートに入らなかった場合でも
やっぱり矛盾…というかシナリオに無理が発生します。これを
何とかするなら既存の共通ルートの後に永遠の白編へと至れる
ような部分を描写してしまえばいいんです。尺の問題なら
悠久の異世界編をカットしていれば十分確保出来るはずです。
そういった部分を詰めずにノリと勢いに任せて作ったもの
ですから綻びがあちこちに発生してしまっています。ですが
個人的な好き嫌いでいえば永遠の白編は本作では一番好き
だと自信をもって言えるのが困った所です。本編から続く
一連の流れをみんなの力をもって解決した上にZERO関連の
問題も言いたい事はありますが、一応の決着を見た……と
言っても…いいかな…と思えるので。そして締めというか
終わり方もそれまでの矛盾を無視すれば綺麗に終わったと
いえます。そんな訳で冷静に評価すれば低評価ですが、私
個人の評価は高いという困った所に落ち着いたわけです。
そして最後に新ヒロインのリリエトの個別ルートについて
です。恐らく追加で作られた関係上、本編のヒロインとの
絡みが少ない部分は少し気になりましたが、シナリオ自体は
比較的完成度は高かったと思います。複雑な事情等の問題は
永遠の白編である程度解決した上で、改めて今の主人公を
リリエト自身が見ながら更に好きになっていきながら一方で
主人公もリリエト自身に向き合っていく流れは良かったです。
ラストのお約束展開もああいった形で終わらせたのは賛否が
分かれそうですが、あれはあれで良かったのではないかなと
思います。個人的には主人公が彼に対して複雑な感情を抱く
所を評価していますね。最終的なまとめとしては及第点の
評価をつけてもいい話もありましたが、トータルで見ると
並み以下の評価になるのも妥当かなと感じます。ただ個人的
には駄作とするにはもったない部分もあるので、何だかなと
思う気持ちがありますね。

グラフィック

本編同様 おっぱい も印象的ですが、新ヒロインリリエトの
一枚絵は本当に天使のような美しさと表現しても過言では
ないと思います。本当に絵になるんですよね。そしてそんな
彼女が涙を流した所で、そっと主人公が後ろから抱きしめる
あの一枚絵も良かったです。後は朝陽が主人公と手を繋いで
いる一枚絵も中々の破壊力があって印象に残っていますね。
ただ、そんな中でも永遠の白編の一番最後にゆっくりと表示
される一枚絵。こんな一枚絵を出されたらもうお手上げです。
これが本作ナンバーワンと言わざるを得ません。正直これが
本編より評価を上げた一番の理由ですね。もちろんそれ以外
にも先に上げた一枚絵の良さも理由の 1 つですが。それと
評価の対象には入っていませんが前作ヒロインの一枚絵や
新規SD絵なども収録されていますので、ファンデスクと
考えると中々のボリュームなのではないかと思います。

音楽

新しいオープニングの Have a live day は曲自体は別に
悪くはないんですが、本編ヒロイン達の際どい水着の方に
意識を持っていかれた感じがありますね(笑)それ以外だと
新しい場面や暖かさを歌詞や映像から感じましたね。後は
エンディング曲の カルス ですが、こちらは永遠の白編の
ラストにそれまでに辿った道のりを振り返りながら聴くから
こその良さがあると思いますので本編ヒロイン達のアフター
スト―リーで流れると少しミスマッチな印象を受けます。
後は前作でも使われていたBGMの一部も収録されています。
その中でも特に印象的だったのは 蜃気楼 ですね。主人公が
とある人物と出会う時に流れてましたがシチュエーションも
そうなんですが「蜃気楼」という言葉がピッタリあう場面
だったと思います。ただこれは本編と本作をプレイしただけ
ではその良さが伝わらないんですよね。そういう意味では
悠久のアリスグラム を超えられていないですね。本作でも
印象的な場面ではこのBGMが流れていましたし本編と本作を
代表するBGMと言っていいと思います。本作に限定するなら
spread イデア戦 ZEROver ですかね?ただ、あれは流れる
場面が限られている上に人によってはあまり印象に残らない
可能性があるんで結局は 悠久のアリスグラム を超えて
いない印象ですね。最終的な評価は悩みましたが、本編や
前作をプレイしている事が前提になっている部分も多い事を
考えて音楽の評価としては本編と同様にしています。

キャラクター

本編ヒロインの中なら変わらず優理が一番好きですね。ただ
本作のアフターの出来の関係で本編ほど優理が絶対的に一番
好きと言えるほどの差はないです。追加ヒロインに関しては
梢はある程度予想の範囲の可愛さなんで、そこまでではない
ですが朝陽は結構良かったですね。本編内でも所々で可愛さは
見せていましたが、告白シーン前後のやり取りは予想を超えた
可愛さを見せつけてくれました。しかしそれ以上だったのが
新ヒロインのリリエトです。クールさとポンコツと可愛さを
織り交ぜた ギャップ はやっぱり良いものがありますね。後は
各サブキャラクター達にもショートストーリ―的な物を用意
して掘り下げを見せてくれた所も評価したいです。それでも
本編と比べてキャラクターの評価を下げた原因は本作の目玉の
1 つでもある永遠の白編のアペンドの方でのキャラクターの
使い方や設定の説明不足な所に加えてリリエトの個別ルート
での本編ヒロインの登場のさせ方の違和感が大きいですね。
まあ、後者に関しては制作側の都合の部分が大きそうなので
仕方ない部分もない訳ではないですが、プレイする私達には
関係ない話ですからね。その辺りを少し厳しく評価して最後は
このような評価になりました。

Hシーン

本編ヒロイン 5 人が 4 回で朝陽と梢が 2 回。リリエトが
3 回収録されています。単純なシーン数だけなら本編以上の
ボリュームがあり内容も本編ヒロインは際どい水着に加えて
異世界風なシチュエーションでのシーンを用意したりと本編
ヒロインは恵まれていた印象があります。例えば一葉での
「くっ殺せ」的な物とか雪のお仕置きプレイなどはその手の
プレイが好きな人にはクリティカルに刺さるのではないかと
思います。

最後に一言

買い方やタイミングによって評価が変わるゲームですね。

 
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