タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
赫炎のインガノック 〜What a
beautiful people〜 Full voice
ReBORN  
Liar-soft   10 時間前後  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
(24/30)    B+(15/20)   (16/20)   B+(23/30)   B+(78)     
 
初めに(前書き)

今回は 赫炎のインガノック 〜What a beautiful people〜 の
リメイクである 赫炎のインガノック 〜What abeaut iful
people〜 Full voice ReBORN のレビューとなっています。
主な変更点は完全フルボイス化や新規イベントCG追加にゲーム
パートのスキップ機能などですが、私はゲームパートのスキップ
機能は一切使ってません。というか、このゲームをキチンと
楽しむならスキップは 悪手 だと私は考えます。そんな考えを
持っている人物のレビューとなっている事はご了承ください。
それと、ゲームクリア後の人用に公式サイトにてwebノベルで
後日談が公開されていますが、こちらの評価と内容は今回の
レビューには含めていませんのでそちらもご了承ください。

総評

これはゲームをプレイするという感覚ではなく 世界観に浸る
いう感覚になれるかどうかが、このゲームを楽しめるかどうかの
分かれ目だと思います。テキストにグラフィックや音楽も含めて
独特の世界観 を表現していましたし、プレイする人を引き込む
だけの魅力は確かにあります。ですが細かい部分の描写不足や
一部を読み手の想像に任せる。といった部分は賛否が分かれると
個人的には思います。ですが、それらを考慮してもプレイする
人を引き込むだけの力を持ったゲームではあると思いますので
プレイしても損はないと言えますね。私は個人的評価が少し低め
ですが、公式サイトのwebノベル後日談の評価まで含めていい
なら B+ にしていますのでそこまで低い訳でもないです。

あらすじとプレイについて

異形都市インガノック。10 年前に発生した《復活》で、恐るべき
幻想生物たちが姿を顕し、歪み、時に異形と化して人々を襲い
すべてが歪んでしまった都市。そんな都市にて主人公は巡回医師
として人々を診療し都市を歩き続ける。まるで、失った何かを
探すように。そして主人公は少女と出会う。その出会いは何を
主人公にもたらすのか……(半分以上公式サイトより抜粋)
 
一本道のストーリーで、総プレイ時間は 10 時間前後ですが
ゲームパートという名の正解の選択を選ぶ手間と設定を理解
するためにじっくりとテキストを読むことを考えるとプラスで
もう数時間はかかると思います。個人的には一度クリアして
からもう一度プレイすると最初は気づかなかった伏線などを
再発見できるので 2 週目をプレイする事をおススメします。

シナリオ

一本道のストーリーなので、共通ルートや個別ルートの概念は
存在していません。ざっくりと分けるなら 3 章までは序盤で
4 章〜 9 章が中盤でそれ以降は話が一気に加速していくと
いったイメージでいいです。
 
シナリオの評価はかなり難しいです。世界観や設定の作りこみ
だけを評価するならもっと上でもいいのですが、細かい部分の
説明不足や描写不足が目立つと思います。恐らくしっかり説明を
せずに読み手に判断を任せることで、想像の余地を残すといった
考えなのでしょうか?おとぎ話というワードが本編でも何回か
出てきますが、まあ、確かにおとぎ話に細かい辻褄や設定を
求めすぎるのも野暮といえるかも知れませんね。ただ、あまり
詳しい事を書くと ネタバレ となるので書きにくいのですが
最後の終わらせ方に少し不満があるんですよね。あの後は一体
どうなったんだ?など色々と描写不足だと思います。だからこそ
色々と考察の余地は残されていますけどね。個人的にはおそらく
焦点はそこではなくて、主人公が〇〇を取り戻した。この話の
書きたかった所はそこではないのかなと思っています。(完全な
ネタバレなので○○とボカシています)まあ、おとぎ話だって
最後は幸せに暮らしましたとさ…ぐらいで終わるので、それ
でもいいという人はこれでもいいのかも知れませんが、その
幸せに暮らしました という部分の描写が短くても私は欲しい
人間です。なので、やっぱり気にはなるんですよね。もっとも
大筋の流れと結末そのものは良いと思いますし、大きな物語の
破綻はなかったはずなので、評価としては高めとしています。

グラフィック

幻想生物。異形。奇械。といった本作の重要な所を世界観の
イメージに合わせて表現出来ている所は素直に凄いと思います。
時にはキレイに。時にはおどろおどろしく。また、時には
美しく。立ち絵や一枚絵で描写しています。個人的な一枚絵の
お気に入りは一章の主人公のベットの上にいるアティです。
2 週目をプレイした時に見る彼女の笑顔は色々とくるものが
ありますね。

音楽

オープニング曲もエンディング曲もゲームの世界観に良く
合っているんですが、それ以上にBGMが素晴らしいですね。
穏やかさと激しさ。両方を上手く表現しています。前者は
日常/穏やかな時 で、後者は 戦闘/無限舞踏 がそれに
該当すると思います。どちらのBGMも印象的でしたが、私は
悲しみ/縮地/絶望 が一番強く印象に残っていますね。
割と多くの場面で流れますが、特に 1 章の場面で流れた時は
最初に流れたという事もあって印象的でしたね。

キャラクター

いつもなら好きなヒロインを最初に書くんですけど、このゲーム
ではそれが難しいです。あえて選ぶならキーアかアティの 2 人に
なるのですが、どちらも ヒロイン というと違和感があるので。
両者は主人公にとってもお話的にも重要な立ち位置である事は
間違いないんですけどね。個人的には主人公を含めたこの 3 人の
関係性は凄く好きでした。特に終盤でのアティと主人公の互いの
想い。そしてキーアから見る 2 人の関係性。この辺りはよく
出来ていました。それ以外のキャラクターについては悪くは
ないんですけど、少し描写不足な印象があります。ケルカンや
ルアハはまだマシなんですけど、ドロシーやそれ以外に 2 名程
気になったキャラクターがいます。一部のキャラクターは存在
自体が ネタバレ になりかねないので詳しくは書きえませんが
終盤で主人公とアティの関係性の変化に関わったキャラクターを
あんなふうに扱った事もそうですが、作中の終盤やエンディング
後の描写が足りてないキャラクターが多すぎるんですよね。まあ
一部キャラクターは公式サイトのwebノベルの後日談で描写されて
いるので、そこまで含めるなら、もう一段上の評価にしていたかも
しれませんが、このレビューはあくまでゲームだけの評価なので。
ただ、そういった不満点があっても及第点以上の評価が出来たのは
キーアとアティの魅力もありますけど、やっぱり主人公が魅力的
だったからですね。最序盤の印象はお人よしのように見えて実際は
自分本位というか、目的のためだけに生きる半死人に近いと思って
いましたが、キーアと共に暮らし、アティとの関わりで人間に
戻っていく。そして彼がそうありつつけようと あがき続けた
からこその本編での結末であり、彼にも救いはあったのだと
私は思っています。そこに至るまでの流れで彼を好きになって
いった事もそうですし、終盤での人間らしさも良かったですね。

Hシーン

まともなシーンが 2 つぐらいしかない上にプレイも普通なので
特に書くことがないですね。ただ、とある 1 つのシーンは女性
キャラクターの心情描写が中々良かったので、割と好きですね。

最後に一言

Liar-soft初プレイですがこの世界観が作れるならコアな
ファンがいるのも納得ですね。


 
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