タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
さくら、咲きました。   SORAHANE   20 時間前後  
                                         
シナリオ     
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
B(22/30)    B+(15/20)    B+(15/20)    B+(23/30)    B+(75)    B+   

初めに(前書き)

このレビューは さくら、咲きました。 の内容について書いている
物ですが、ゲームのシナリオの内容上、やや ネタバレ が多く
なっていると思います。一応。体験版までの範囲の内容は書いて
いきますので、少しの ネタバレ も嫌だという方達は、回れ右で
お願いします。それと、私個人が、かなり初期にプレイしたエロゲと
言う事もあって、思い入れがそれなりにあります。一応、個人的評価
以外の点数に関しては公平につけたつもりですが、少々贔屓目な
内容になっているかもしれません。その辺りを理解されて納得して
もらえた方に読んで頂けたら幸いです。

総評

生きるとは何か 個人的にはここがこのゲームのテーマだと考えて
います 死生観 と言う表現でも間違いですが、個人的には前者の
表現の方がしっくりきます。ただ、細部まで内容や設定を描写する
事が出来ていないために、細かい部分での矛盾やご都合主義感が
シナリオで強めに出ている所は少々残念です。グラフィックでは
背景やさくらの描写は 素晴らしい ですが、一枚絵や立ち絵での
人の描写が背景やさくらの描写と比べるとやや落ちると思います、
音楽に関しては、BGMでのピアノの音がゲームの雰囲気と絶妙に
マッチして、いい味を出していましたね。キャラクターに関しても
アクとインパクトの強い人物が少々多かったですが、みんないい人
ばかりでしたよ。逆にそれが欠点にもなっていましたが。全体的に
見て、細部の雑さが少々気になりましたけど、 良作 の範囲には
ギリギリ入っているゲームだと思っています。最後に、このゲームの
一度プレイした場所を自由に選択して、好きな場面からプレイ出来る
このシステム(もっと分かりやすく言ったらYouTubeなどの動画である
画面の表示を再現していて、シークバーを動かしてシナリオを好きな
場所から再生したり出来るような物)はプレイした当時は凄まじい物
だと思いました。もしこれが、今後全てのエロゲに搭載されたなら
プレイ環境の 革命 が起きたと言えるのではないでしょうか?それが
何時になるのかはわかりませんが。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 毎日を友人と一緒の水泳部で、それなりに楽しく
過ごしていた主人公。そんなある日に水泳部は突然、廃部になる。
部活動への参加が必須な学園のため、主人公は幼馴染のつばめが
所属している生活部へ主人公を誘う。生きる活力を探求する部活
と部長のすみれは言うが、活動内容が学園生に理解されていない
謎の部活であった。そんな生活部の活動で主人公はかつて水泳部で
感じられなかった物を得ていく。しかしそんな最中。地中滅亡の
危機が迫っていく と言った感じですね。
 
総プレイ時間は 20 時間前後です。ただし、これは共通ルートの
部分を既読スキップした場合の話です。攻略キャラクターの数の
分を再度、共通ルートからプレイした場合は追加で 15 時間前後は
かかると思って下さい。攻略順は、都→美羽→つばめ まで固定で
共通ルートを既読スキップした場合はここまでで 10 時間前後です。
その後。タイトルから少々特殊なルートを選択します。これは 2 つ
ありまして、合計で 2 時間前後。その後に奏と瀬利華の個別ルートが
解放されます。この個別ルートのみ、どちらからプレイするか選択
出来ますが、どちらからでも問題ないです。両方共、個別ルートは
1 時間半前後です。そして、奏と瀬利華の個別ルートを両方をクリア
すると、すみれの個別ルートが解放されます。こちらもプレイ時間は
1 時間半前後です。これで本編はクリアで、後はおまけシナリオが
10 個程あります。こちらは、各 10 分前後ですが、Hシーンがある
物もありますので、そちらはもう少しプレイ時間が伸びると思います。

シナリオ

共通ルートは 生活部での活動を通して生きる活力を探求しながら
生と死。その揺れ動く登場人物の感情や行動を中心に描写をして
います。個別ルートは 特定のルート以外は地球滅亡の危機の中で
生と死にヒロインと主人公が向き合いながら進んでいく所を中心に
描写しています。
 
総評でも書いた 設定の雑さ 構成の問題 が大きな欠点だと思って
います。このゲームでは トコシエ と言う新技術のおかげで人類は
不老不死と言う夢を実現した訳です。そして、このトコシエの影響で
生と死について真剣に考えなくなった。それが、地球滅亡の危機に
よって変わる。恐らくこの 生と死の考え と言った所がシナリオの
見どころではないでしょうか?しかし、トコシエの設定の雑さと
いうか、甘さで、色々と矛盾が生じている訳です。あまり書くと
ネタバレ になりかねないので書きにくいですが、例えばトコシエに
なった時点で、老いなくなったのなら永遠にそこから成長しない
訳です。その場合、身体機能は変化しないのか?とか、恐らくは
10 代と思われる時点で、トコシエになれるのってヤバくないとか
トコシエになる事への危険性の説明などなど。個人的にいくつも
言いたい事がある訳です。この辺りの設定についてはしっかりと
練りこんでシナリオに組み込んで欲しかったですね。そして次に
構成の問題です。ルートの固定で、都、美羽、つばめ、の順番で
個別ルートは進んでいく訳ですが、つばめの個別ルートの後から
プレイする事になる 2 つの特別なルート。このルートをプレイ
する事で、それまでの 生と死の考え と言ったシナリオの見どころが
潰されるは少し言い過ぎですが、薄くなってしまうのは問題です。
2 つの特別なルートの内容をやりたいなら、いっその事。すみれの
個別ルートの内容にそれを組み込んで、完全にTRUETルートにでも
してしまった方が奏や瀬利華の個別ルートをもっと楽しめるのでは
ないかと思います。もっとも瀬利華の個別ルートは多少修正は必要
になるとは思いますが。それと 2 つの特別なルートの内容を内容を
考えるなら、人の醜さと言うか、そう言った人の負の部分ももっと
分かりやすい形で表現した方が、話としては臨場感と緊張感が出て
面白そうな気がします。最もここはやり過ぎると殺伐としすぎるので
一概にそうするべきとは言えませんが。さて。ここまで欠点を主に
書いてきたので良かったと思うところを書きます。やっぱり一番は
都、美羽、つばめ、の個別ルートでそれぞれ描かれた 生と死の考え
特にコレの 1 つの答えを表現した美羽の個別ルートラストの流れは
美しいと感じました。その前の都の個別ルートとの違いもそう感じた
要因の 1 つですね。そして、すみれの個別ルートでの、すみれ自身の
考え方や生きるという事。そしてラストのあの名前と流れが、すみれが
出した答えと言う事なんでしょうね。個人的には良かったと思って
います。そして追加のおまけシナリオ。真面目にやっている物から
少々おふざけに走っている物もありましたけど、真面目な物は十分
評価できる物でしたね。いくつかは各ヒロイン達の個別ルートの
アフターと言える内容で、短いながらも本編の不足分を補ったりも
していましたので、ここも十分評価できるポイントです。最終的な
まとめとしては、ケチはいくつかつけましたけど 生と死の考えなど
やりたい事やテーマは伝わってきて、納得できる部分もそれなりに
あった上におまけシナリオで多少のフォローをした部分も含めて
合格点には届いた。と言った所で終わります。

グラフィック

背景やさくらの描写は 素晴らしく 同年代に発売されたエロゲの
中でも上位の出来だと思います。それに対してヒロイン達の一枚絵は
及第点ぐらいなので、その差が目立つように個人的には感じました。
決して悪い訳ではないんですけどね。個人的にお気に入りの一枚絵は
美羽の個別ルートラストの一枚絵です。まさしくあの場面に相応しい
一枚絵でした。

音楽

2 つのオープニング曲。Forget to prime と Prime Limitation の
どちらもいくつかのバージョンがBGMとしてゲームの中で使われて
います。特に前者は、タイトル画面で ‐piano solo‐ が。美羽の
個別ルートのラストで last world バージョンでそれぞれ使われて
います。エンディング曲の 春と奇跡 もこのゲーム内の雰囲気に
マッチしていました。だだ、どの曲も良い曲ではありますけど、少し
爆発力と言うか、強力に印象に残る曲がなかったので評価としては
この辺りに落ち着いています。

キャラクター

好きなヒロインに関しては都と瀬利華のツートップで、次が美羽で
その下が奏とつばめとすみれの争いですかね。奏は決して嫌いでは
ないのですが、妹感が強いんですよね。主人公はそれを克服して
恋人関係になった訳ですが、私は克服出来ませんでした。すみれは
キャラクターとしては面白いですし、彼女の存在がこのゲームでは
色々な意味で重要ではあるのですが、恋人にしたいかと言われると
他に魅力的なヒロイン複数いるので、あえては選ばない感じです。
つばめは、まさしく高い 正妻力 を持っていましたし、決して嫌いな
訳ではないですが、インパクトに欠けた感がありますね。主人公と
近すぎる関係だからこそ、近くにいて当たり前。恋人と言うよりも
相棒と言った方が近い関係。その辺りからの脱却が上手く自分の中で
感じられなかった所が、上の順位にならなかった理由です。美羽に
関しては、エロと変態性が高いので好みが分かれそうな所は、少々
ありますが、個別ルートで見せた年相応の可愛さと孤独さ。これで
グッとくる人が多いのではないでしょうか?特に瀬利華の個別ルート
での立ち回りは、美羽と言うキャラクターの真価が出ていると個人的
には感じられました。瀬利華に関しては、可愛かったと言うのが個別
ルートをプレイし終えた後の感想でした。ただ、この可愛さが少々
あざといと言うか、作られすぎていて逆に嫌と思う人の気持ちも十分
分かりますよ。ですか、彼女の真価はおまけシナリオ 5 にあります。
おまけシナリオなので短いですが、ここでの彼女の発言は何と言うか
スッと私の心を掴んだんですよね。ここは高い評価をしています。
そして最後に都です。個別ルートのシナリオこそ 6 人の中であまり
よくないですが、自身の個別ルートで見せた自然な可愛さと言うか
スッと主人公の隣に並ぶ感じは、ある意味ではつばめより自然な恋人
関係で、おまけシナリオ 1 では夫婦関係でした。実は都と瀬利華の
2 人はそれ以外にも好きな理由があるのですが、あまりにも個人的な
理由なのでここでは割愛します。次にサブキャラクター達について
ですが、主人公の親友の 変態 である一馬や主人公のクラスの担任の
ぽわぽわ超天然な歩鳥に、つばめの母親であるのに子供っぽい所の
あるすずめなど魅力的なキャラクターが多いです。一馬に関しては
本編内のみですが、歩鳥やすずめはおまけシナリオでも、魅力的な
場面があるので、一度は見ておく事をおススメします。そして最後に
主人公についてです。彼自身も色々な葛藤や思い悩む事はそれなりに
ありましたけど各ヒロインとしっかりと向き合いながらも、時には
対立やヒロインの意に沿わない行動をとったりもしましたが、その
根底にあるのはヒロインのため。大切な場面でしっかりと行動して
様々な手助けがあったとは言え、自分の気持ちにキチンと向き合えた
彼は十分に好感の持てる主人公です。少々鈍感な所ぐらいは笑って
見逃してあげて欲しいと個人的には思います。

Hシーン

回想シーンに、都、美羽、つばめ、がそれぞれ 3 つ。すみれと奏と
瀬利華が 2 つ収録されています。そして、おまけの方にも 2 つ程
回想シーンに収録されていないHシーンがあります。コスチューム
こそ、メイド服と和モダンとショップ定員がありますけど、プレイの
方はそこまで変わった物は…ないと言いたかったのですが、エロゲの
箱にぶっ掛けると言う物はありましたね。果たして需要がどの辺りに
あるのかは謎ですが。

最後に一言

これ程高度なシステムを 2012 年に作ったのは凄いと思います。


 
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