タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
ラブピカルポッピー !   SMEE   25 時間前後  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
B+(23/30)    B(14/20)   B+(15/20)   (25/30)   B+(77)    B+  
 
総評

ここのメーカーの記念作品とのことなのでかなり期待して
いた部分もあった事は否定しませんが、どこまでいっても
良作 止まりのゲームだと私は思っています。グラフィック
以外に大きな欠点はなく、各ヒロイン達の可愛さ。音楽を
上手く使って各場面の良さを引き出し、沢山の女の子達に
囲まれた生活とイチャイチャラブコメを楽しめるシナリオ。
どれも及第点以上ではあります。しかしそれ以上の物をこの
ゲームからは感じられませんでした。製作陣営が努力して
いない訳でも手を抜いている訳でもない事は十分分かって
います。しかし語彙力を無くす程魅力的なキャラクター。
心を震わせられる音楽や時間を忘れて読み進めるシナリオ。
そして、圧倒される高レベルのグラフィック。どれもこの
ゲームでは達成していません。まあ、確かに酷なレベルの
要求をしている自覚はあります。ですが記念作品なのです
から、そういった部分に近い所を求めてもいいのでは…と
思ってしまうんですよね。まとめとしては個人的な評価は
ともかくとして、グラフィック以外に大きな欠点はないと
言ってもいいレベルなので、そこが気にならないのであれば
過剰な期待をしなければ買っても損はしないと思います。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 家が燃えて住所不定無職となった主人公。
一緒に住んでいた妹は学園の女子寮に預けられたが、自身は
これからどうしようかと悩んでいた。そんな時にその女子寮
から住み込みで寮母をやらないかと誘われる。ほとんど即決で
飛びついたが併設されているクレープカフェの手伝いも同時に
任される事になる。そんな中でクセの強い女子達の面倒を
まとめてみていくうちに…(一部公式サイトより抜粋)と
いった感じですね。
 
総プレイ時間は 25 時間前後ですね。共通ルートはおよそ
3 時間で最後の方の選択肢で生活環境の変化があってから
少しして個別ルートに入ります。個別ルートは 1 時間半 〜
2時間です。ただ、たんぽぽと綾子さんはそれよりも短くて
1 時間 〜 1 時間半になります。攻略順についてですが一応
涼花→美卯→綾子→希未→たんぽぽ→珠祈 としておきます。
ただ、珠祈以外は別に自由でいいと思いますし、珠祈も一番
最後にした方がまとまりがいいというだけで、絶対最後に
する必要はありません。ただ、私は初プレイ時に珠祈から
プレイしたのでその時に珠祈は最後の方がよかったなと思い
この順番にしています。

シナリオ

共通ルートでは 寮母とクレープカフェの仕事をしながら
様々な出来事を経験して自身の進む道を見つけていきながら
各ヒロイン達と仲良くなっていく過程を中心に描写して
います。個別ルートでは 決めた道を少しずつ進みながら
各ヒロイン達と寄り添い、時には彼女達の悩みの手助けを
しながらもイチャイチャラブラブしているシーンを中心に
描写しています。
 
個別ルートで多少は変化しますが、沢山の女の子に囲まれた
生活とイチャイチャラブコメの両立。これを上手に描写出来て
いたと思います。また、女子寮物というのは割とヒロイン達
ぐらいでの数名で暮らしている事が多くて、モブキャラ達が
多いとはいえ 10 名近い女子学園生と一緒の生活自体が結構
が珍しいと思います。そしてそれだけの人数がいるからこその
ドタバタ感やわちゃわちゃ感の表現。これが楽しくて新鮮に
感じましたね。私はここを評価しています。各個別ルートの
評価としては、やっぱり珠祈の個別ルートはレベルが高い
ですね。このゲームの中での 1 つの完成形だと思ってます。
珠祈の過去の掘り下げはあくまで最低限にしながらも、珠祈
というキャラクターが何故無自覚な甘え願望を持ったのか?
そしてどういう理由でそうなっていったのか?この辺りの
理由が描写されることで違和感が少なくイチャラブに没頭
出来る所は凄く良かったですし、個別ルートのラスト手前の
寮生達の珠祈への気持ちを告げるシーンもモブキャラが多い
からこそ多くの人に珠祈がそう思われていたという証明にも
なりますからね。このあたりの組み合わせ方も上手だったと
思っています。そして程度の差はありますけど、どの個別
ルートでもそういった描写はまずます出来ていた方だと私は
思っていますので、及第点以上の評価をしています。逆に
それ以上の評価に出来なかったのは、全体的な尺の不足を
感じた所ですね。メインの 4 人でも結構ギリギリでしたが
サブの 2 人は特に恋人関係になるまでの流れやお互いに
異性として意識するまでの描写は足りてないと感じています。
極めつけはたんぽぽの個別ルートラスト前の実家帰省時の
親友関係のエピソードですね。内容だけみれば決して悪く
ないのですが、問題発生や解決までの流れがあんまりにも
早すぎたので雑に組み込んだ感が強かったです。ではもう
1 人の綾子さんはどうかと言えば、こちらはインパクトこそ
弱いですし大きな問題はほぼなかったですが、互いが互いを
尊重して意識していき、ちゃんと恋愛してたなと感じられた
ので評価としては高めです。まあ、そうは言っても綾子さん
自体の自虐の強さや展開の速さなど文句が全くない訳では
ないんですけどね。最終的なまとめとしては、よく出来ては
いますけど、尺不足や細部までの丁寧さが足りてない。と
いった所です。

グラフィック

立ち絵と一枚絵を比べた場合に 違和感 を感じました。この
違和感を乗り越えても、キャラクターが幼く感じます。私の
感覚的な問題かもしれませんが、希未がどうしても最高学年に
見えないんですよね。そして綾子さんも設定的には多分 20 代
後半ぐらいのはずですが、主人公と変わらないぐらいにしか
見えないのも困ります。こっちはシナリオでの綾子さんの発言
にも影響してくるのでここは評価を下げています。一枚絵自体の
もののクオリティーは及第点なんですけどね。そんな一枚絵は
涼花と美卯のエンディング後の物が結構気に入っています。
両者とも確かな成長と自信を感じられる一枚絵でクオリティー
自体もそれなりのレベルだと思いますね。

音楽

オープニング曲とエンディング曲。どちらも良い曲ですが
やっぱりオープニング曲の方が印象に残っていますね。この
アップテンポの曲に電波と電子を融合させたような感じは
割と中毒性は高そうですね。そんな曲のBGMアレンジが各
ヒロインの個別ルートラストで流れるのですが、こちらは
ピアノの音から伝わるメロディーが全然別物になっていて
イメージがガラッと変わります。個人的にこのゲームの中で
一番好きなBGMなので、興味があればクリア後に音楽鑑賞
から 25 を選んで聞いてみてください。後はBGMの中なら
22 の そこにある大切なもの が印象に残っていますね。
まあ、これは流れた場面が印象的だった事が大きな理由
ですけどね。

キャラクター

体験版の時点だと希未が一番で、ここのメーカーの過去作を
複数プレイしている関係で綾子さんが気になっていたのですが
プレイ後は珠祈一択になりましたね。あれは反則気味ですよ。
本当に。元々希未の次ぐらいには好きだったんですが、小さな
見た目から想像出来ないほどに真面目な寮長。というお堅い
感じかと思いきや実は…という王道的な ギャップ は的確に
私の心を掴みました。それと以外にも美卯が中々良かった
ですね。事前評価はかなり低かったのですが、彼女なりの
信念や努力の裏側で抱える葛藤。この辺りの描写がしっかりと
されていた事で自然と彼女の事が純粋にいいな…と思って
いましたね。まあ、多少は「うーん」と首をかしげたくなる
場面もありましたけどね。逆に希未や綾子さん辺りはそこまで
伸びきらなかった感じがありますね。前者はエロかったぐらい
しか印象に残っていなくて、後者は少しネガティブな面が
強調されすぎていた所が引っ掛かりましたね。まあ、両者とも
決して駄目だった訳ではないんですけどね。ですが、珠祈や
美卯と比較すると流石に落ちるかなという感じです。次に
サブキャラクター達ですが、友人や星九頭スピカやクマさんと
いった名ありのキャラクター達よりもモブの寮生の方が色々と
印象的だった気がします。この手の寮生活物はヒロイン+α
ぐらいしか出てこないことが多いですが、あえて名無しの
モブにする事で、二桁クラスの寮生達と生活をしている感じを
出せていました。ここは賑やかな感じをキャラクターの力で
演出していたので評価しています。まあ、モブなので、どの
寮生が印象に残ったかと聞かれても答えにくいのですか。
最後に主人公ですか、アクは強めですが個人的にはそこまで
イカレてはいないかなという印象ですね。このメーカーの
過去作品を複数プレイしている関係で感覚が麻痺している
可能性も否定出来ませんが。ちょっとヘタレる時もありますが
行動するべき時はキチンと行動しますし、文句をいいながらも
他者を助ける事が出来るので悪い印象はないですね。

Hシーン

回想シーンに 希未、涼花、美卯、珠祈、が 3 回収録されて
いて、綾子さんとたんぽぽが 2 回収録されています。まあ
回数だけ見れば少し少なく感じるかもしれませんが、尺の方は
十分確保されていると思います。その理由が本作に用意された
Hシステムです。これはマウスなどで特定のポイントをクリック
する事によってHシーンが変化します。つまりある程度、挿入
タイミングもプレイヤーの任意になるので過剰に愛撫をする
事も可能なのでその結果として焦らしプレイも可能な訳です。
でも正直、これは評価しづらいんですよね。私は焦らしプレイ
自体は嫌いではないですけど、どちらかと言うとプレイよりも
シュチュエーションも大切にしたいので。まあ焦らしプレイに
する事によって濃いめ…というか妖艶な感じの各ヒロイン達の
Hシーンは人によっては刺さりそうな気はします。私としては
希未の焦らしプレイバージョンがやっぱり印象的ですね。
元々エロい彼女ですが、回想 3 回目のアレはまあ、主人公も
ああなっちゃうのも納得のエロさでした。

最後に一言

期待値ギリギリだったので、次回作はどうなるか。


 
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