タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
黄雷のガクトゥーン
〜What a shining braves〜  
Liar-soft   10 〜 15 時間  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
(24/30)    B+(15/20)   (16/20)   (25/30)   A(80)    B+  
 
総評

独特の世界観を様々な要素で表現しながらも、主人公の魅力や
心理も丁寧に描写していました。ただ、文章の詩的な部分が
多用されている部分が人によっては読みづらく嫌悪感を与える
場合がありそうですね。それから他のシリーズをプレイして
いない場合は、一部意味が分からない場合があります。何となく
察しろ!的な表現をされると辛く感じたりもします。ですが
それらを差し引いてもプレイする人を引き込むだけの 魅力
持っています。合う合わないがかなり分かれるゲームでは
ありますが、食わず嫌いはもったいないので、興味があれば
一度はプレイしてみてもいいかもしれませんね。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 現代とは少し違う歴史を辿った世界。その世界の
20 世紀初頭。1908 年のフランス、マルセイユ。海上に浮かぶ
マルセイユ洋上学園都市にて 1 つの目的を持って学園に入学した
少女。やがて彼女は出会う。学園初めての転校生にしてヒーローに
(一部公式サイトより抜粋)といった感じですかね。
 
一本道のストーリーで、総プレイ時間は 10 〜 15時間です。
選択肢に時間制限がある場合がありますが、一応救済処置も
あります。ただそちらを使った場合は一部のサブエピソートが
見られなくなりますので、出来る限り使わない方がいいです。

シナリオ

一本道のストーリーなので、共通ルートや個別ルートの概念は
存在していませんが 1 章 2 章と区切りが存在しています。
また、各章で正しい選択肢を選んでいた場合はその章の終わりで
サイドストーリーを見ることが出来ます。
 
同じブランドのゲームでもある 赫炎のインガノック でも
似たような事を書きましたけど、シナリオの評価は中々難しい
です。世界観や舞台設定の作りこみは良いですが、細かい部分の
説明不足や描写不足が目立ちます。特に主人公でもありヒーロー
でもあるニコラ・テスラにはマルセイユ洋上学園都市に来る前の
描写でもあればもう少し彼への理解力というか、良さがもっと
伝わってきたと思います。一方でもう 1 人の主人公にして
ヒロインでもあるネオン・スカラ・スミリヤはゲームの中で
大体の設定や心情は描写出来ていたので、そこまで不満はない
です。後は、このゲームではネオンがヒロインでもあり主人公
でもある関係上。ネオンの心情描写は かなり多い ですね。
ここは良くも悪くも人を選ぶ部分です。他にメインヒロインと
言える人物がいない関係上、ネオンが好きになれない人には
この話は苦痛に感じる可能性が高いです。そしてテキストの
クセの強さ。くどくどと言葉を重ねられるとやっぱり無駄に
長い文章を読まされているという感覚があると思います。ただ
こう言った文章は同時に独特の雰囲気が出ているとも言えます
ので、一概にダメだとは言えない所はありますが(まあ、その
辺りは個人差があるのでさじ加減が難しいですが)色々と書き
ましたが、独特の雰囲気と登場人物を魅力的に見せていく描写に
加えてテスラとネオンの関係性の変化。この辺りの描写は十分に
満足出来るレベルでしたので、評価としては高めにしています。

グラフィック

ゲームの雰囲気を表現するための一枚絵もいくつかありますが
テスラのカッコ良さを描写している一枚絵も多いですね。また
ネオンの可愛さやエロさも十分表現出来ています。おまけの CG
鑑賞モードでは一枚絵にそれぞれ題名がありますが、その中で
一番印象に残った一枚絵は、題名。手 そして 手と手 です。
この 2 枚の一枚絵は 対比と感動 を感じたのは私だけではない
はずです。本当はもう一段上の評価でも良かったんですが
とあるHシーンでの女性の胸の描写に結構な違和感を感じた
のでこの評価にしています。

音楽

オープニング曲もエンディング曲も確かに良かったですが
それ以上に BGM がゲームの世界観に良く合っています。
おまけの音楽鑑賞では曲に番号が振ってありますが、その
中の 02、08、11、辺りはゲームの雰囲気にピッタリです。
言語化がかなり難しいですが、フランスっぽい雰囲気が出て
いたBGMとでも言えばいいでしょうか?個人的に一番好きな
BGMは 14 の 電気騎士/雷の王 ですね。主人公のテスラの
カッコ良さを引き出すのに一役買ったBGMでした。

キャラクター

メインヒロインと言えるキャラクターがネオンしかいないので
先にサブキャラクター達について書きます。と言ってもサブ
キャラクター達もかなり多いため、1 人 1 人を書いていくと
かなり長くなるので、特に好きなサブキャラクターを 3 人程
書くことにします。まず 1 人目はネオンにとっての良い相談
相手でもあるアナベスですかね。学園でも屈指のジャーナリスト
でもあり、その情報量は主人公のテスラも頼りにしているほど
です。彼女は体制側に思うところはありますが、情には厚く
筋は通すタイプでもあります。ネオンが学園生活で、様々な
出来事を経験していく中、ネオンの精神の安定にも一役買って
いたと思います。また、特大級のスクープ情報を掴んだ時に
あえて見なかった事にしたあのシーンも彼女の良さが出ていたと
思います。2 人目は体制側の統治会メンバーの一員でもあり
公爵家の若き当主でもあるエミリーです。彼女にスポットが
当たるのはシナリオの中盤ですが、それまではせいぜい貴族
らしい人物程度の印象でした。しかし彼女の信念がネオンとの
交流で揺らぎ、プレイヤーに背景がある程度明かされた時に
とった彼女の行動と信念。そしてその後の結末まで含めて
女の子 としての部分も描かれていた所が個人的には良かったと
思います。そして 3 人目はジャン=ジャック。通称 JJ と
呼ばれる風紀警察を努める人物で一応男子学生ですが、何年も
留年しており外見は学生には見えないです。しかし実直で
学園の治安維持にかける信念は本物であり、様々な理由から
警察関係が嫌いなテスラでさえも彼の信念は認めています。
ネオンの事も交流の回数は少ないながらも純粋に彼女の事を
気にかけておりイメージとしては、現場主義のお巡りさん。
とでも言えばいいですかね?彼が目立った活躍をするシーンは
少ないですが、要所要所で重要人物を支えていた描写は結構
印象に残っていますね。さて。サブキャラクター達の紹介は
一応これで終わりにして、次は主人公でもありヒーローでも
ある、ニコラ・テスラについてです。自称 72 歳という事も
あってネオン達のような学生から見れば少しずれた感性を
持っていますが、悪党であっても自分を傷つけた相手でも
心から救いを求められれば決して見捨てることはなく助ける
姿はヒーローと言っても間違いないですが彼はそう呼ばれる
事は好んでいないでしょうけどね。この辺りの掘り下げの
部分がこのゲームでは十分に出来ていないため、一部は想像
でしか語れないのが少し残念です。また、彼の少しズレた感性
から発せられる言動に振り回されるネオンは見ているだけで
面白かったり、やきもきしたり、同情したり、呆れたりと
様々な気持ちにさせてもらいました。そして最後にもう 1 人の
主人公にしてメインヒロイン。ネオン・スカラ・スミリヤ に
ついてです。彼女は良くも悪くも 純粋 なんですよね。そして
高い主人公適正を兼ね備えています。簡単に諦めずに手を
伸ばし続け、お節介で世話焼き。友達の為ならどんな危険な
場所にでも飛び込んでいく。そしてこのゲームではネオンの
地の文が驚く程に多いです。だからこそプレイヤーは彼女の
考えや思いに多く触れます。その結果として彼女が好きになる
人も多ければ彼女に共感出来ない人も多くいるでしょうね。
ですが、ネオンでない視点から見た彼女のスタイルの良さと
外見の良さだけは多くのプレイヤーから反対意見が出ることは
きっとないと私は確信しています。でもって、そんな部分を
少しズレた感性で褒めたたえたテスラに赤面した時のネオンの
可愛さだけは誰が何と言っても 素晴らしい と声を大にして
言いたいです。私はキャラクターの評価は高めですが、同時に
ほぼ 1 人ヒロインで話が進んだ事もあって、ネオンが合わない
人はキャラクターの評価がもう少し低く感じる人もいそうです。
私自身もネオンの全てが良かったと思っている訳ではありません
ので。しかし、テスラの信念やサブキャラクター達の言動だけ
でも十分に評価できると思っていますので、最終的にはこの
評価とさせて下さい。

Hシーン

まともなシーンが 3 つぐらいしかない上に内 1 つは主人公は
関係なくプレイも普通なので特に書くことがないですね。ただ
3 つのシーン全てが女性の視点で描写されているため、各女性の
心情描写が良く表現出来ていた事は評価してもいいと思います。

最後に一言

70 過ぎのジジイが美少女を無意識に誑かす話 でも
間違いじゃない。


 
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