共通ルートでは 主人公が、少しずつ学院に馴染みながら、全校生徒に
みんなのお姉さま「エルダー」として慕われていきます。個別ルートでは
共通ルート後半で踏み込んだヒロインが抱える問題を解決していったり
主人公とヒロインの難しい関係から、互いに思い合う過程を描写したり
しています。
共通ルートの時点で、主人公の魅力、成長。ここをしっかりと描写して
いるので、主人公に対する安心感が生まれています。始まりは設定に
無理があるかなと思っていましたけど、進めていくと私はそこまで気に
ならなくなりましたね。後は共通ルートが結構長いので、途中でダレて
くる人は多そうですね。特に 2 話 3 話の内容は好き嫌いが激しいので
ここで一旦中断してしまう人はいると思います。私もそうでしたし。そこを
超える(もしくは開き直る)と徐々に面白くなっていき、5 話辺りはかなり
良かったと私は思います。個別ルートに関しては、由佳里の個別ルートが
一番印象に残りましたね。好き嫌いは別として。おそらく由佳里が一番
まともな感性を持っているからこそ主人公に対する悩みや葛藤が、あの
場面からの一連の流れに繋がっていったと思います。この一連の流れでの
各ヒロインに対する由佳里への対応が各ヒロインの性格や歪さを表して
いて興味深かったです。そんな中で、一番のファインプレーは一子ですね。
何て言うか彼女は他のヒロインの個別ルートで輝くんですよね。自身の
個別ルートでは灰色とでも表現する内容だったんですが。話を由佳里の
個別ルートに戻すと、女装主人公モノで、ある意味でのお約束。これと
結末は別にしてキチンと向き合う事も女装主人公モノには絶対必要な事
だと思います。次に奏の個別ルートについてですね。こちらは逆に奏の
歪さ が出ていると思います。何せ由佳里の個別ルートでの問題を奏は
「ああそうですか。それが何か?」ぐらいの感覚で流してしまいますから。
これは十分
歪 と言っていいと思います。でも、こう言う考えを奏がする
過程をプレイヤーは見ているので
歪 と感じる人は多くないと思います。
この辺りは上手に作っていると思います。まりやの個別ルートは、近い
からこそ見えない物とでも表現すればいいですかね。離れる事によって
見えてくる物もあると言う事です。強さと弱さ。共通ルートで見せた彼女の
魅力を十分に発揮した内容でしたね。貴子の個別ルートは王道まっしぐら
でしたけど、貴子自身の可愛さと主人公の有能さ。所々で見せる笑いで
良い内容になっていたと思います。紫苑の個別ルートは何と言うか随分
特殊だったと思います。終わってみれば割と王道かなとも思いましたけど
中々の物を抱えていましたね。全てを知ると、彼女の個別ルート以外を
選択しにくくなりましたね。だからこそ あらすじとプレイについて で
一番最後にプレイして欲しいと書いた訳ですが。最後におまけシナリオに
ついてです。T は本編でもある程度語られている話なので、そこまでの
新しさはないです。 U は圭と美智子の日常の一コマを描写した物ですが
中々衝撃的でしたね。2 人の印象が大きく変わると思います。V は君枝
の話ですが、本編内での 1 つの謎の解決と君枝の想いが描写されます。
これも中々悪くないです。W は遊びです。本編とほとんど関係ないです。
笑いとリアル事情の暴露がメインですね。