|
タイトル名
|
メーカー、ブランド名
|
総プレイ時間
|
|
ナツイロココロログ
|
Hearts
|
15 時間前後
|
|
シナリオ
|
グラフィック
|
音楽
|
キャラクター
|
総合点数
|
個人的評価
|
|
Ｂ（21/30）
|
Ｂ＋（15/20）
|
Ｂ＋（15/20）
|
Ｂ＋（23/30）
|
Ｂ（74）
|
Ｂ＋
|
総評
もったいない というのがクリア後に一番強く思った事ですね。
シナリオ以外は全て及第点以上なので、シナリオがもう少し評価
出来る内容なら文句なく 良作 だといっていたはずです。その
シナリオも最終的な終わり方と大筋は問題ない出来だったので
余計にもったいなく思います。特に鈴の個別ルートに関しては
細かい部分の不満はありますが、実妹シナリオとしての完成度は
相当高い出来ですね。多くの人に勧められるゲームではない
ですが、総合的には及第点クラスのゲームであったといえますね。
あらすじとプレイについて
電脳空間へ直接、意識をダイブさせる仮想世界が実現した、現代
より少し進んだ近未来。そんな世界のとある学園に通う主人公。
彼はゲーム好きで電脳格闘ゲームでもそこそこの腕前を持つが
そんな彼がとある日学園の先輩から電脳格闘ゲームの勝負を挑まれ
あっさり敗北してしまう。そのことがきっかけでその先輩が部長を
務める電脳研究部に入部し、そこで顧問の先生から開発中の恋愛
シュミレーションのテスターを引き受ける事になる。そのことが
きっかけで主人公の生活かこれまでと変わっていく…（一部
公式サイトより抜粋)といった感じですかね。
総プレイ時間は 15 時間前後。共通ルートが 2 時間ぐらいで
個別ルートが 1 時間半前後です。総プレイ時間は 1 時間より
少ないぐらいのおまけルート込みの時間です。攻略順について
ですが、致命的な ネタバレ はないので、誰からでも大きな問題は
ないと思いますが、鈴と久遠を最初にプレイするとその後の
攻略に影響を与えかねないので、個人的には 小都音→綺新 で
進めて、鈴と久遠の 好きな方 を一番最後に持っていく形を
おススメとしておきます。また、このゲームにはおまけルートと
呼べる物がありますが、そちらは好きなタイミングで大丈夫です。
あえて言えば、鈴と久遠の個別ルートの前ぐらいが良いかと
シナリオ
基本的な流れとしては共通ルートの部分で、各ヒロインを知って
現実と電脳世界。2 つの世界での違いを知りながらも最終的には
興味を持った 1 人を選ぶまでを描いています。個別ルートでは
電脳世界と現実世界をリンクさせながら各ヒロインの抱える問題や
悩みと向き合いながら話が進んでいきます。
シナリオの練りこみが甘い という一言につきます。正直、ここ
さえまともなら充分 良作 と呼べる出来になっていたはずです。
特に小都音と綺新の個別ルートは起承転結の内容自体はまともで
問題はないのですが どうしてそうなったか の部分の説明が足りて
ないです。ここの説明をおろそかにしてしまえば ご都合主義 と
いう事さえも言えないですからね。だって説明さえされていない
ですから。これで評価しろって言う方が無理ですよ。まあ、おまけ
ルートの方はおまけとして割り切ったとしても 4 人のヒロインの
中で 2 人のヒロインがこれじゃあどうしてもいい評価は出来ない
ですね。そして残る 2 人のヒロインの 1 人。久遠の個別ルートは
ちょっと久遠が終盤で内に引きこもり過ぎた所が気になりました。
人によってはこれは問題だと言うと思います。後、気になったのは
緊張感がない 所ですかね。中盤から終盤にかけての流れは
いってしまえば王道です。それ自体は別に問題はないのですが
これからどうなるんだろう と考える前に ああ、こういう流れに
なるんだろうな と完全に読めてしまいます。ただ、これはまあ
ゲームの雰囲気がそう言った 負 の部分の描写を極力省くように
作られているための弊害なんで、人によっては仕方ないと割り切る
事は出来ると思いますが。さて、最後に鈴の個別ルートです。
個人的に終盤のあの流れで両親が深く関わって来なかったとか
それ以外にも細かい部分の描写問題は確かにあります。ですが
それを差し引いてもシナリオの完成度としてはかなりの物です。
鈴の 1 つ 1 つの感情や葛藤を丁寧に描写していた事もですが、
それとこのゲームの根幹の 1 つである電脳世界と上手くリンク
させた事も高評価の 1 つです。正直、このレベルのシナリオが
書けるなら、他の個別ルートでもこれと同等とまで行かずとも
それに近いものを書ければシナリオの評価がもっとあがっていた
だけに、もったいないですね。
グラフィック
グラフィックの出来自体は悪くないですし、安定していると
思います。個人的には久遠の個別ルートでしか使われなかった
立ち絵は出来がそこそこ良かったので、他の個別ルートでも
使っても良かった気はしますが。お気に入りの一枚絵はやっぱり
鈴の個別ルートラストの一枚絵ですね。あの一枚絵で鈴が古い
鈴 を持ってこちらを見ているのは最後まで個別ルートをプレイ
してきた人にとっては強く強く印象に残る一枚絵だったのでは
ないかと思います。
音楽
正直、評価に一番悩んだのがこの音楽になります。鑑賞モードで
制作陣のコメントが見れるのも嬉しいですが、そのコメントから
どういう意図をもって作ったかを知る事によって更に曲への理解が
深まります。オープニングの DiVE 2 WORLD やエンディングの
seed of happiness も良い曲でした。特にオープニング曲の方は
夏らしさと電脳。制作陣が意識した部分がキチンと感じられた曲
だと思います。ＢＧＭだとやっぱり 追鈴 が一番印象に残って
いますね。これは仕方ないですけど。それ以外なら 不況迷路 と
Pillow が印象的でしたね。前者はこのゲームに珍しいシリアス
成分がそこそこあるメロディー。後者は個人的に夏の夕暮れ時を
思い出す少し切ない感じが印象的でしたね。評価は Ｂ＋ として
いますが、正直 Ａ でも問題ない程のレベルです。評価を分けた
ポイントは一度聞いただけで 良作を超える物 と判断出来る曲が
なかった所ですね。これさえあれば間違いなく Ａ にしてます。
キャラクター
好きなヒロインは鈴と久遠のツートップですが僅かに鈴がリード
している感じですかね。個別ルートに入るまでは小都音がかなり
好きだったんですけどね。こう書くと小都音がイマイチと思われる
かもしれませんがそういう事ではなくて、個別ルートの印象が
好きなヒロインにも影響している感じですね。個別ルートでは
小都音と綺新がイマイチ好きになれなかったのもそうですし、特に
綺新は個別ルートのあのシーンは綺新が好きな人にとっては
悪影響を与えかねない描写でしたので、その辺りは配慮というか
工夫して欲しかったですね。好きなヒロインのツートップである
久遠は再開してから少しずつデレていく王道的な描写でしたが
中々上手く出来ていました。本来ならそのまま鈴を引き離して
行く所でしたが、いかんせん鈴が強すぎました。元々妹キャラは
嫌いではないですが、今回は細かい部分の感情描写が圧倒的に
鈴は多かったので、自然に鈴が好きになっていきました。正直
これは仕方ないです。改めてシナリオの描写がいかにヒロインを
魅力的に見せれれるかを見せつけられましたね。後は主人公に
ついてですね。うーん。個人的には 間が悪い という印象が強い
ですね。あんまり好意を持たれるタイプの主人公ではない事は
確かですが、そこまで酷評されるようなタイプではないです。
特に一部の個別ルートでは主人公よりもヒロインの方に問題が
あるような気はしますが、同時に久遠の個別ルートでは、あの
約束を忘れていた主人公にも問題があったような気がします。
なので、最終的には酷評するほどではないが、高評価するほど
でもないという無難な評価に私は落ちつきました。
Ｈシーン
回想シーンに久遠が 3 つ。綺新が 4 つ。鈴と小都音が 5 つ。
そしておまけとして後 3 つ。収録されています。数だけを見れば
鈴と小都音が贔屓されているように見えますが実際のシーンの
ボリュームを考えれば 4 人のヒロインは同じぐらいです。そして
厳密に言えば各ヒロインは電脳世界のアバターと現実世界の分を
足していますので、ヒロインによっては現実世界のシーンが
少ないヒロインもいます。個人的にはせっかく電脳世界がある
なら、そちらではもっと激しいプレイを用意して欲しかったです。
まあ、作風にそぐわないのも理解していますが、それを考えても
鈴にせっかく放〇シーンをいれたのならもっと（以下自主規制)
ま、まあ、結論としては電脳世界でぐらいエロを強めてもよいの
ではないかという事です。
最後に一言
実妹シナリオの中ではハイレベルなので、興味があればプレイ
してみるのも悪くはないと思います。
このレビューに関することはこちらのweb拍手からどうぞ。
|