タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
恋するココロと魔法のコトバ   Hearts   15 〜20 時間前後  
                                       
 
シナリオ
  
 
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
B(21/30)    (16/20)    B+(15/20)    B(22/30)    B(74)    B+   

総評
個人的には 初めてエロゲをプレイした時 の純粋な気持ちを思い出させて
 
くれたゲームでした。優しく穏やかな世界観で、純粋なヒロイン達との甘い
 
恋愛描写を描写しているんですが話に緩急がなく、ほとんど平坦に進むため
 
この手のエロゲに慣れている人程、退屈に感じるかもしれません。ですが
 
浸りたくなる世界観 を見事に描写した点は評価するべきだと思います。
 
シナリオも割とありがちな展開だったとは言え、致命的な破綻はなかった
 
ですし、グラフィックも綺麗です。音楽も作り手のこだわりが感じられる
 
出来でした。キャラクターも悪くなかったです。個人的には十分な良作
 
範囲ですけど、このゲームをそう言ってしまうのは少々抵抗があるので
 
総合点数としてはこの点数になりました。

あらすじとプレイについて
簡単に書けば 精霊や魔女と言った不思議な伝承が残る街で暮らしている
 
主人公は、ある日学園の同級生の忘れ物を届けに、その同級生が参加して
 
いる部活。庭園部の部室に足を踏み入れる。すると、部室の床に描かれて
 
いた魔法陣をうっかり踏んでしまい精霊を召喚してしまう。実は庭園部は
 
学園に通う魔女達が所属する秘密の部活動だったのだ。魔女や精霊と言う
 
不思議な存在を知った主人公は、そのまま庭園部の新入部員となり、春の
 
日差しのように優しく暖かな学園生活を送りながら、精霊や魔女と言った
 
不思議や存在の様々な真実を知っていく(一部本製品収納箱裏の説明より
 
抜粋)と言った感じですかね。
 

総プレイ時間は 15 〜 20 時間ぐらいです。共通ルートが 2 時間半前後で
 
個別ルートは 1 時間半前後です。若干ハルの個別ルートが長かったですが
 
精々 15 分程度なんで気になる程ではないと思います。攻略順については
 
一応 好奏→ましろ→風祢→ハル をオススメとしておきますが、正直な所
 
ハル以外は自由でもいいです。そのハルでさえ 絶対に最後 にする必要は
 
ないです。ハルと風祢の個別ルートでの設定を考えて後に回しているだけ
 
ですし、その設定も他の個別ルートに大きな影響を及ぼす訳でもないです。
 
ただ全体的なまとまりを考えるとこの順番か私はしっくりくるので、一応
 
この順番をオススメとしておきます。

シナリオ
共通ルートでは 主人公の境遇から現在。そして精霊と魔女との出会いを
 
経て精霊や魔女について、様々な事を体験しながらヒロイン達との交流を
 
深め、魔女や精霊について深く知っていく様子を中心に描写しています。
 
個別ルートでは 各ヒロイン達がそれぞれ抱える悩みや問題を様々な力を
 
借りて主人公と一緒に解決したり乗り越えたりする様子を中心に描写して
 
います。
 

まず、絶対的な悪が存在しない優しい世界観 という点をしっかりと頭に
 
入れて理解して下さい。これに納得できない人はこのゲームのシナリオを
 
確実に楽しめないですし、不満だらけになると思います。極論を言えば
 
このゲームのシナリオは90%以上が優しく甘い。悪く言えば都合良く
 
起伏の乏しい展開で話は進みますからね。各個別ルートでヒロイン達の
 
悩みや問題も発生しますけど、これもある程度この手のゲームをプレイ
 
している人には意外性がなく大体想像通りの展開で進みます。多くの人が
 
あまりシナリオを評価していない点はここにあるのではないでしょうか。
 
ただ、最初に書いた 絶対的な悪が存在しない優しい世界観 をしっかりと
 
意識して作られています。それは、シナリオだけでなくキャラクターや
 
音楽にグラフィックまで含めてです。だから このゲームのシナリオ
 
いう点だけで考えるならもう一段上の評価でも、おかしくはないですが
 
個人的に起承転結の転の部分のシナリオの内容(個別ルートでの悩みや
 
問題を各ヒロイン事に解決に向けて進んでいくシーン)がもう少しだけ
 
シリアスに寄せた方がシナリオにメリハリが付くと感じたので、評価は
 
この点数にしていますが。ただこの辺りのさじ加減は一歩間違うだけで
 
誰得シリアスやこのゲームの世界観に合わなくなるので難しい所ですが。
 
私としては、ハルの個別ルートをもう一段上にシリアスに寄せてながら
 
他の 3 人は今のハルの個別ルート並ぐらいでもいいと思いますが。

グラフィック
各ヒロイン達は、このゲームの雰囲気に良く合っている丸みのある可愛い
 
グラフィックだと思います。また、それぞれの精霊達も可愛く描写して
 
いると思います。後、主人公も結構な美形です。個人的には、主人公を
 
目も含めてちゃんと描いている一枚絵は好きですね。私のお気に入りの
 
一枚絵は主人公におんぶされているましろの一枚絵です。主人公の表情も
 
好きですが、ましろの微妙に照れているあの表情は良いですね。

音楽
鑑賞モードでのBGMやオープニングにエンディングまで、それぞれに
 
感想を書いている所は個人的に嬉しいですね。スタッフのお気に入りは
 
 想いの交心 だそうです。このBGMも嫌いではないですが、私としては
 
 永遠の旋律 や 名もなき旋律 がBGMでは好きですね。前者は、ある
 
人物の登場シーンで流れるんですが、この異国情緒溢れるメロディーと
 
神聖さが好きです。後者は、オルゴールから流れるような、少し寂しく
 
感じるこの手のメロディーはエロゲを始めた頃から好きなんで、すぐに
 
お気に入りになりました。音楽の評価はにしようかと思いましたが
 
オープニング曲の 桜色リフレイン〜Spring has come〜 がどうしても
 
インパクト が弱かったので結局この評価になりました。全体的に暖かく
 
穏やかや春の陽気さを音楽でも出せるように工夫して、シリアスな場面で
 
BGMを必要以上に重くしないでおこうと言う配慮は伝わって来ましたが
 
春らしく新たな出会いと期待を抱かせるようなオープニング曲の方が良いと
 
思いました。あまり同じような曲ばかりだと飽きてしまいますからね。
 
その辺りの変化をオープニング曲に期待したかったんですが。

キャラクター
全体的に悪くはないと言った所ですね。ただ、何と言うか、ヒロインの
 
魅力の見せ方 にもう少し捻りが欲しかったです。ヒロイン達が主人公を
 
好きになる過程もやや単純過ぎると思います。別に駄目だという事では
 
ないです。ただ、もっと高い評価をするためには、各キャラクター事に
 
適した 魅力の見せ方 が必要です。その点ではハルは割とその辺りを
 
よく考えられて見せていたと思います。個別ルート終盤の彼女の印象は
 
共通ルートの時点では考えられなかったですし、内心を隠しながらの
 
あの笑顔は、中々心にグッと来ましたね。だからこそ、最初に書いた
 
魅力の見せ方 を他の 3 人にも工夫してもらえればもう少し高い評価を
 
する事が出来たんですが。ただ、一番好きなヒロインがハルだったかと
 
言われるとそうではなくて、実は好奏だったりするんですけどね。いや
 
こう言う「守ってあげたくなる様なタイプ」のヒロインは、元々好きと
 
言う事もありますけど、多分 恋愛描写と魔法関係の描写のバランス
 
登場ヒロイン達の中で一番私好みだったと言う点が大きいと思います。
 
(ただ、これは勿論キャラクターや総合点数の評価対象ではないです。
 
その分、個人的評価には加点していますけど)次にサブキャラクターに
 
ついてですが、セシリアとアウシュリーの扱い方は、まずまずと言った
 
感じです。前者は風祢と好奏の個別ルートでの役割は中々良かったです。
 
特に風祢の個別ルートでの試練後の風祢とのやり取りはセシリアと言う
 
キャラクターの役割を良く果たしてくれたと思います。後者については
 
様々なヒロイン達の個別ルートで、重要な役割を果たしてくれましたが
 
とある個別ルートでの彼女の呟きは、中々重みがありましたね。ただし
 
これに対する明確な答えがこのゲーム内で提示されなかった事は、私の
 
中での不満点の 1 つです。ただこれについては彼女の個別ルートでも
 
作った方が分かりやすい答えが出そうですが。最後に主人公について
 
ですが、うん。これもまた悪くはないと言う感じですね。よく言えば
 
ヒロイン達のためなら積極的に行動でき、頭も悪くはなく、キチンと
 
好意を伝えられる。悪く言えば、無個性。凡庸。ありきたりな感じ。
 
と言った所でしょうか。正直後は一枚絵で目がキチンと描かれていて
 
それが、中々イケメンだったぐらいしか書く事が思いつかないですね。
 
まとめとして、最初で書いたように「全体的に悪くない」と言うのが
 
キャラクターに対する私の評価ですね。点数もそれを示しています。

Hシーン
回想シーンで、各ヒロイン達それぞれ 4 つ収録されています。プレイに
 
ついてはパイズリとフェラぐらいでそこまで変わったプレイはないです。
 
個人的には好きでも嫌いでもないんですが、巨乳のヒロインをガラスに
 
押し付けて後ろからヤるのは友人曰く「エロゲの芸術」らしいですが
 
今回の風祢のシーンはその手のシュチュエーションが好きな人には良い
 
物だったのではないでしょうか。

最後に一言
ある意味での 良作 との境目のゲーム。 




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