セリカ側とリウイ側に別れてそれぞれ話が進み、各ルートによって最後は
様々な展開を見せる事になります。序章、終章、合わせて全十章で半分は
リウイとセリカを交互に操作しながら話が進んでいきます。
話の序盤は、セリカ側がセリカとエクリアの微妙な関係を中心に描写して
いるんですがこれが中々面白いです。こう言う言葉で伝わるのかどうか
不安ですが
まさしくちゃんと恋愛エロゲーをやってるな と感じました。
そして 2 人の関係性が変化した後に大きな出会いを経て話は中盤に入り
ます。リウイ側の序盤は、亡き妻との約束を胸に抱き国を動かすリウイ。
しかし様々な種族を抱え難しい立場であるメンフィル国は、個人の理想
だけでどうにか出来る状態ではありません。光と手を取れば闇が反発し
闇と手を取れば光が反発する。そんな中でリウイは光と闇の選択を迫られ
ながらも、己の信念で決断を下し話が進んで行きます。話が中盤に入ると
苛烈を極める光と闇の対決。リウイはこの騒動に正面から介入していき
セリカは様々な因縁によって巻き込まれて行きます。リウイ側は主に闇の
側の勢力について知る事になり、そこで知り得た驚愕の真実。そして闇の
側の提案を受けるのか断るのかをリウイは決断する事になります。しかし
最大の見どころはシルフィア関連の話でしょうね。彼女は前作の 幻燐の
姫将軍 2 をプレイしている人なら当然知っていると思いますが、神殿から
破門を言い渡され、神格位を剥奪される運命にあります。神格位を剥奪
されると簡単に言えば、それまで生きた年月が一瞬で彼女を襲います
既に軽く人の寿命を超えるだけ生きている彼女はそれに耐えられずに
消滅(寿命で死ぬ)してしまうと言う事ですね。そんな彼女に待つ運命は
と言った話ですね。色々と書きたいですが、ネタバレになりかねないので
一言だけ。
彼女は今も幸せです セリカ側はセリカの因縁と言うべき宿命。
この避けられない運命にセリカとエクリアは巻き込まれてしまいます。
セリカ側の中盤の見どころはルナ=クリアとセリカの関係とエクリアの
献身 と言う言葉が霞む程のセリカへの行動です。セリカへの様々な形の
想 い を胸に秘めて様々な力を借りながらも長い間、セリカのために
どんな困難にも諦める事なく立ち向かう彼女は、セリカへの紛うことなき
愛 に満ち溢れていました(本人は否定するでしょうが)ルナ=クリアの
方は光の側の事情と自分の想いに苦悩する彼女。しかし、 最終的には
1 つの決断を下します。それに対するセリカの答え。この辺りは 2 人の
気持ちが良く理解出来て感情を揺さぶりました。そして、その後の光側の
行動により事態は混迷し、紆余曲折を経て事態は、一応の決着を迎えて
終盤へと話は進んで行きます。またここでの音楽の演出はとても良かった
ですね。終盤では大きく分けると、光、闇、正規、の 3 つのルートの各
エンディングへと向けて話が進んで行きます。文字の通り、正規ルートは
戦女神シリーズの続編に続く内容で続編への布石をいくつも用意しながら
進みます。話に一応の区切りはつきますが若干、消化不良感は残りますね。
また、ADVパート(要するに会話の部分)と RPG とのバランスが
悪かったですね。光ルートに関してはスッキリと話が終わった様に見えて
いくつかの疑問や問題点(使徒関連やセリカについて)がそのままなんで
そこまで綺麗に話が終わらなかったのは残念です。それでも正規ルートや
闇ルートの 2 種類のエンディングの片方と比べると全然綺麗に終ったと
思いますけどね。何しろ闇ルートの片方は、虚しさと悲しみしか無いです
から。片方は。逆にもう片方は
ある意味 では
綺麗に 話が終わり、戦女神
VERITA の中では一番
感情移入した シナリオでしたね。まあ最後の展開は
ある程度予想は出来ていましたよ。ラストバトルの前にあの様な展開に
なればね。それでも幻燐側に異常な思い入れがある私は、リウイが紡ぐ
言葉の 1 つ 1 つに亡き妻への
深すぎる愛 を感じ、ラストバトルの後の
演出とあの一枚絵とみんなの言葉ですよ!もうね………まともに画面を
見られなかったです。そしてエンディング曲からのエピローグ。ここも
また良かったですね。未来を信じて今を生きる者達。まあ、多少の疑問
(正規とほぼ同じで使徒関連やセリカの今後)はありましたけど、上手く
まとめたと思います。全体の問題点としては、細かい点での矛盾や説明
不足がある事と、シリーズ物の宿命である前作をしっかりとプレイして
いないと十分に話を理解出来ない事。後は、プレイ時間が長すぎる上に
同じ展開が続く部分の周回プレイ中はどうしても飽きてしまいがちになる
所ですね。