タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
縁りて此の葉は紅に   Lump of Sugar   20 時間前後  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
C(18/30)    A+(17/20)   B+(15/20)   B(21/30)   B(71)     

総評

最低限のシナリオにハイレベルなグラフィック。及第点を
超える音楽に可愛いヒロインと、私のここのメーカーの
イメージ通りのゲームでしたね。 良くも悪くも ですけど。
あんまり細かい事を考えずにのんびりとゲームの世界観に
浸りながら、ヒロインが可愛いと思える。正直これは簡単な
ようで結構難しかったりもします。なぜなら平坦な話だと
飽きられるからって誰得シリアスを 無駄に 入れる。または
奇抜な設定を用意して、それが活かされないならともかく
シナリオの 足を引っ張る こういった事が起こりがちです。
このゲームはそういった事が皆無…とまでは言いませんが
そこまでマイナスにはなっていないです。まあ、それでも
プラスにはなっていないので最終的な評価は高くはない
ですけどね。ただ、私が求めていた、ゲームの世界観に
浸る。ヒロインが可愛いと思える。この 2 点は及第点の
評価は出来るので、決して 駄作 ではないです。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 二つの種族。獣耳、翼、尻尾などを有する
幻夷(まほろい)とそれらを持たない人間が共存する世界で
主人公は 1 人の幻夷の少女に「わたしは――――ご主人の
ペットだよっ」と宣言される。彼女の存在によって幻夷と
人間の関係が変わる…かも知れない物語が始まる。(一部
公式サイトより抜粋)といった感じですかね。
 
総プレイ時間は 20 時間前後で共通ルートは 2 時間から
2 時間半ぐらいで個別ルートは 2 時間前後です。ただ
もみじの個別ルートは若干長いですね。攻略順については
どの順番でもシナリオがすっきりしないので、おススメの
攻略順は特にないです。私は 和羽→小乃葉→すずな で
最後にもみじでしたが、この順番だとすずなの個別ルートの
後に小乃葉の個別ルートのとある部分が気になります。でも
結局その部分は作中で詳しくは語られないので、最終的には
どうやっても疑問は解消しません。なので、前に書いた通りで
おススメの攻略順はなしで、あえて言うなら私の攻略順を
おススメにしておきます。

シナリオ

共通ルートは世界観の紹介を兼ねながら、各ヒロインやもみじ
との印象的な出会いを経て不思議な出来事などを体験しながら
ヒロイン達と仲良くなっていく過程を描写しています。
個別ルートでは各ヒロインの抱える問題に特定のヒロインの
個別ルートだと主人公にも降りかかる様々な問題を一緒に
解決していく内容を描写しています。
 
基本的なシナリオの流れは悪くないんですよ。共通ルートの
時点である程度の疑問を解決して、個別ルートで各ヒロインの
内情に踏み込んでいく流れは、本作に限らず様々なエロゲで
よくある展開なので。問題は個別ルートでの問題をサラっと
流したり、別の個別ルートで判明した出来事を考えると疑問が
発生したりと各ヒロインの個別ルートの作りこみの 浅さ
問題なんです。特に和羽と小乃葉はそれが目立ちましたね。
では、もみじやすずなの個別ルートは良かったのかというと
これも問題があります。ただ、もみじの個別ルートは解釈が
分かれますが、主人公ともみじの関係性は当人同士が一応は
考えた結果なので、まあ、スルーしますがその後の展開の
雑さと、とあるキャラクターの行動の稚拙さが少し気になる
ぐらいで、そこまで大きな問題ではないですが、すずなの
個別ルートまずいです。何がまずいと言うと、単独の個別
ルートとして見た場合は問題ないのですが、最終盤で判明
する主人公の過去に登場した人物がまずいです。この辺りは
かなりの ネタバレ になるので、詳しくは書けませんが、その
人物の存在自体が小乃葉の個別ルートで大きな意味を持つ
からです。この人物の存在を考えると小乃葉の個別ルートは
下手をすれば崩壊してしまいかねません。そんな小乃葉の
個別ルートはその人物の事を考慮しなければ、立場と種族の
違いを乗り越える王道的な内容だったと思います。私自身が
一番好きな個別ルートでもありますが、私の私情を抜きに
しても、このゲームの中では良くできた個別ルートだったと
思います。件の人物の存在を考えなければですけど。最後に
和羽の個別ルートですが、一番評価が分かれる内容だと思い
ます。今が幸せならもう過去は気にしない これをどこまで
許容出来るか です。私は許容出来なかったので評価自体は
低めです。また、キャラクター自体もかなりクセが強めで
ここも評価が分かれそうです。個別ルートで見せる普段との
ギャップ などもあるんで、全く見どころのない内容だとは
言いませんけどね。個人的には主人公を含めていくつか
残った謎を解いていく TRUE ルート的なお話を用意するか
誰かの個別ルートでその手の話をして全体を上手くまとめて
欲しかったです。それが出来ていれば及第点にはしていたと
思います。

グラフィック

ここは手放しで 褒められる 部分ですね。一枚絵だけでなく
背景も高いレベルです。もみじとの出会いの一枚絵なんて
全体的なレベルが高く、すずなの方は髪をおろした場合の
一枚絵は普段との印象が違ってこれも良かったですね。また
和羽は神々しさと可愛さを両立させた 素晴らしい 一枚絵が
いくつもありました。しかし、それさえも吹き飛ばす程に
小乃葉は 最高 でした。一枚絵の出来も良いですが、立ち絵
での 耳の変化 が本当に良いです。元々私はそこまで犬耳は
好きじゃないんですけど、トイプードルとかダックスフント
みたいな垂れた耳に関してはかなり好きで、今回の小乃葉は
ど真ん中で好きな部類です。まあ、私の個人的な感情を無視
してもグラフィック全体のレベルは抜けて高いと思いますが。

音楽

オープニング曲やエンディング曲だけでなく BGM もヒロイン
それぞれに用意されていて改めて聞いてみましたが、テーマが
もみじが 元気。すずなが少し悩んで 日常。小乃葉が 古い和。
と言う感じで、和羽が 大人。ですかね。まあ、あくまで私の
感覚なんで多くの人には当然異論はあるとは思いますが。
そしてこれらの BGM は別バージョンがあり、それらはまた
違う印象を感じると思います。全てではないですが、多くが
儚げ。物静か。といった感じですね。次にオープニング曲と
エンディング曲ですが、前者は曲自体の完成度は高いですが
本作とはやや合っていない感じがします。というよりも後者の
方が本作のオープニング曲らしく感じるんですよね。明るい
感じというか、テンションのあがる感じというか。その方が
よくあっているように思います。だからといって前者がダメと
いう訳ではないです。ただ、分類的にはかっこいい系の曲
なんですよ。戦闘…まではいかなくてもバトルシーンとか
熱くなれる系のシナリオの方が合っていそうなんで、本作
とは少し相性がよくないかと思います。曲自体は 良曲
いって良い出来なんですけどね。

キャラクター

さて。ヒロイン達の中では小乃葉がぶっちぎりで好きです。
和羽の見た目と実際のギャップ。すずなの小悪魔的な可愛さ。
もみじの無邪気で素直な所など各ヒロインにもそれぞれ良い
所はありますが、共通ルート時点だとこの 3 人のヒロインと
しての 魅力 は弱いと言わざるを得ないです。特に和羽は人に
よっては嫌いに感じる人もいるかも知れませんし、すずなは
介護者のレベルですし、もみじはただのペットなので、その
3 人と比べると小乃葉はまだ魅力的な内に入ると思います。
そんな小乃葉ですが、私の中での魅力的な所は立ち絵での
耳の細かい変化による 感情の変化 が好きですね。小乃葉の
個別ルートではそれがよく表現されていたと思います。また
母性と幼さの ギャップ もありきたりながらも確かに良い
ものだと再確認できましたね。サブキャラクターについては
クラスメイトの実と家久。小乃葉の立場の補佐役のほおずき
ぐらいしか登場していませんが、実やほおずきはともかく
家久は強烈な個性を持っていたくせに大して出番がなかった
のは少し残念ですね。最後に主人公についてですが評価が
難しいですね。お人よしながらもスペック自体はそこそこ
高めで、物事を割とそつなくこなしながらも、大切な場面
ではキチンと行動出来るのでそこまで悪くはないんですよ。
ただ、問題は本編で詳細に語られていない設定がいくつか
あってその関係で、モヤモヤする部分が多いんですよね。
この辺りがもう少し詳しく描写されていれば高い評価をする
事も出来たんでしょうけどね。

Hシーン

シーン回想に和羽が 5 つ。残りの 3 人が 4 つ収録されて
いますが、各ヒロインの差はほとんど無いと考えて下さい。
フ〇ラとかパイ〇リ以外にも各ヒロインそれぞれに恐らく
製作者のこだわりっぽいシーンがあったりします。例えば
すずなの黒ストとかもみじの首輪リード付きなどです。ただ
個人的にはもみじにも小乃葉にもまともな放〇シーンを 1 つも
用意しなかった理由については真剣に聞いてみたいですが。

最後に一言

もっとイチャラブに振り切った方がいいかも。

 
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