タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
ワンコとリリー   CUFFS   5 〜 8 時間  
                                       
 
シナリオ
  
 
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
B(22/30)    B(14/20)    (16/20)    B(21/30)    B(73)      

総評
まず、大前提として CV がないと言う事を理解しておいて下さい。その上で
 
総評として、キャラクターの深層心理の描写はまずまずで短いながらも
 
それなりにまとまっていたと思います。ですが、プレイヤーと共有した
 
イベントがないので理解しにくい所がいくつかあります。グラフィックは
 
まずまずで、キャラクターもわるくはないです。そして CV がない分を
 
レベルの高い音楽で補っています。個人的には、エロゲと言うよりも
 
全 4 巻ぐらいのライトノベルの 1 巻と 2 巻を読まずに 3 巻と 4 巻を
 
一気に読んだ印象でしたね。まあ、全体的な出来としては悪くないので
 
CV がない事を納得出来て、短い中で良い雰囲気の中で癒されたいと言う
 
人にはオススメ出来るゲームです。

あらすじとプレイについて
簡単に書くと ペットが苦手な主人公が父親が亡くなった事で数年ぶりに
 
戻ってきた実家。様々な想いがある中、主人公の目の前には小さなワンコと
 
年上の幼なじみのお姉さん。紆余曲折はあったものの小さなワンコを手元に
 
置く事になる…と言った感じですかね。
 

総プレイ時間は 5 〜 8 時間ぐらいなんですが、既読部分をカットすれば
 
4 時間もいらないぐらいで終わると思います。基本的には途中の一部分と
 
最後の結末以外は同じ展開で進みます。3 種類のエンディングと 3 種類の
 
おまけがありますが、エンディングはロックが掛かっていますので特定の
 
エンディングを見ないと残りのエンディングは見れないようになってます。
 
おまけも同様です。攻略順は 3 種類のエンディングを見た後におまけを
 
いってきます→おかえりなさい→ただいま の順番に見るといいです。
 
1 つ目のエンディング後、どちらのエンディングから見るのかは自由で
 
いいです。

シナリオ
シナリオの大部分が一本道なので、簡単にまとめると、ヒロインとペットの
 
ワンコと主人公達が散歩をしながら過去の思い出や考え方。現在の気持ち
 
などを確認しながら、散歩が終わった後に新たな一歩を踏み出すと言った
 
シーンを中心に描写しています。
 

まず、私は冒頭の透子と主人公の会話に少し嫌悪感を感じました。ゲーム
 
クリア後にもう一度見れば 2 人の関係性が、ある程度理解出来ているので
 
大丈夫なのですが、何も分からない状態で 2 人の冒頭の会話を見た時に
 
私と同じ思いを感じる人もいるかもしれません。このゲームの主人公と
 
透子の会話は割と過去の話が多いのですが、その場面をイベントとして
 
体験していないプレイヤーからすると、どうしてもそう言った場面では
 
共感しにくいですね。ですが、主人公の複雑な感情や想い。深層心理と
 
言った部分の描写が割と上手で、冒頭に書いた嫌悪感の部分を打ち消して
 
くれているので、私は 2 週目以降はそこまで嫌悪感は感じなかったです。
 
シナリオ上の見せ場は、やっぱりおまけの「おかえりなさい」からの
 
「ただいま」です。ゲーム本編から読み取れる主人公の父親に対する
 
複雑な感情。その気持ちの変化と過去から現在。そして未来へと向かう。
 
この一連の流れは良い出来だったと思います。また CV がない分を良い
 
BGMでサポートしていましたね。これは効果的なBGMの使い方だと言える
 
のではないでしょうか。個人的な事を言えば一番最初にに主人公と透子の
 
過去の出来事の回想をいくつか入れてから冒頭のあの場面に繋げた方が
 
嫌悪感を感じなくなるような気がしますけどね。

グラフィック
元々一枚絵の枚数は多くないですけど、出来自体は悪くないと思います。
 
ただ枚数の関係上、印象に残っている一枚絵自体が、ほとんどないのが
 
正直な所なんですよね。あえて言えばワンコとリリーが一緒に眠っている
 
一枚絵ですかね。この一枚絵はワンコとリリーの性格がよくでていると
 
思います。一枚絵ではないですがタイトル画面の透子とワンコとリリーの
 
絵も好きですけどね。

音楽
オープニングの Especially for you も良い曲ですが、エンディングの
 
散歩日和 の方が印象に残っていますね。何しろ曲のタイトルがまさしく
 
このゲームを的確に表していると言っても過言ではないですから。また
 
歌詞も、おもわず散歩したくなるようねフレーズをたくさん使っていて
 
これもゲームによく合っていました。BGMに関しては 過去との決別 が
 
やっぱり印象に残っています。流石に「おかえりなさい」のあの場面で
 
流れてしまうと印象に残ってしまうのも仕方ないと思いますけど。

キャラクター
基本的にこのゲームのヒロインは、透子だけと言うのが私の認識ですので
 
彼女が好きになれないなら色々とゲームをプレイするのが苦痛に感じると
 
思います。私は最初はちょっとあれだったんですが、その後は割と好きに
 
なっていたので、特に問題はなかったですが。ワンコはヒロインと言う
 
感じはしないですね。喋れない小さな子供。イメージ的にはそんな感じ
 
ですが、本当の意味で 子供だからこそ その言動や行動が良い意味でも
 
悪い意味でも主人公の心を動かすんですよね。この辺りは見ていて少し
 
首をかしげる事もあれば、なるほどなと納得する事もありました。さて
 
問題はリリーです。彼女はワンコと比べると主人公と関わるイベントが
 
少ないんですよ。これは本当に残念です。ワンコとの対比とも言うような
 
性格で、おとなしくて感情や自分の気持ちを分かりやすく表現しないと
 
言ったキャラクターなんですが、所々で見せる自分の気持ちを少しだけ
 
表に出しては恥ずかしくて照れていまうシーンなんて素晴らしかったと
 
思うだけにもう少し出番が多ければ、透子より好きになっていた可能性が
 
高いですね。さて、透子についてですが、穏和でちょっとお茶目な所も
 
あるけど、自分の考えをしっかり持っているお姉さん。と言うのが私の
 
印象で、文章で書くと私のストライクゾーンど真ん中ですが、その割に
 
そこまでグッと来なかったですね。いや、別に嫌いとかそう言う事では
 
ないですよ。シナリオでも多少書きましたけど、過去を登場人物の視点で
 
振り返られても 共感しにくい んですよね。ただ、個人的にはそれだけの
 
ある意味でのハンデを背負いながらもここまで透子の事を好きになれた
 
のはライターの心理の描写が優れていたからだと思います。言い方は
 
悪いですが、実力のないライターが同じように書いたならきっと途中で
 
ギブアップしている可能性が高いです。最後に、主人公についてですが
 
子供でもあり大人でもある色々と複雑な感じ。と言うのがピッタリだと
 
思います。彼自身の複雑な想いや過去。それらをゆっくりと散歩をする
 
事で思い返したり振り返りながら、少し大人になっていくと言うのが
 
印象的でした。年上のお姉さんに、あまのじゃくになっちゃう所も中々
 
良かったと思います。

Hシーン
基本的に透子が 2 回と+αぐらいに考えて下さい。プレイもほとんど
 
シンプルであえて言えば放尿ぐらいしかないですけど、個人的にはこの
 
放尿はリリーにこそ欲しかったんですけどね。ワンコでもいいですけど
 
リリーのあの性格で素直にトイレに行きたいと言えず…(以下自主規制)
 
まあ私の性癖はどうでもいいとしても、せっかくなら野外放尿プレイが
 
あってもいいと考えるのは私が穢れ過ぎているんですかね?

最後に一言
もうちょっとリリーの扱いを考えて欲しかった。




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