タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
祝福のカンパネラ   ういんどみるOasis   20 〜25 時間  
                                       
 
シナリオ
  
 
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
B(21/30)    B+(15/20)    (16/20)    B+(23/30)    B+(75)      

総評
頭からこう書くのもアレですが 良作 と自信を持って言えないです。その理由の
 
1 つが RPG風戦闘シーン です。これが中途半端なコマンド入力制なために
 
イライラさせられた人も多いのではないでしょうか。救済措置で二回目からは
 
戦闘カットやオート戦闘も一応用意されていますが、だったら最初からなしでも
 
いいような気もするんですが、それなりにある戦闘のシーンをテキストのみで
 
全て進める形にすると、上手な文章表現をしないと盛り上がりに欠け、同じ
 
ような戦闘シーンばかりになりそうなので難しいですね。逆に、完全な形の
 
コマンド入力制RPGにすると手間がかかり過ぎて他の所が雑になっていた
 
可能性もありますので、まあ、これでよかったという事にしておきましょう。
 
シナリオに関しては、ややご都合主義な所や整合性の取れていない所が気に
 
なりましたが、登場人物の心理描写は優れていて、それを上手く恋愛描写に
 
組み込んでいました。グラフィックは立ち絵のバリエーションが中々豊富で
 
一枚絵自体のレベルも悪くないと思います。音楽については各ヒロイン達に
 
それぞれ用意されたエンディング曲も良かったですが、オープニング曲の
 
使い方と曲自体のレベルが優れていましたね。キャラクターは少々クセが
 
ある人物が多いですが、優れた心理描写のおかげで魅力的に描写が出来て
 
いたと思います。人によってはこれが 良作 な訳がないと言われそうですが
 
各評価項目で及第点以下の項目は無いですし、総合力ではギリギリですが
 
良作 に届いているはずです。まあ RPG風戦闘シーン が、どうしても
 
引っかかって心情的に認めたくない人も多いと思いますので、あえてそれを
 
否定する気は私にもありませんが。

あらすじとプレイについて
簡単に言えば エールと言う不思議な力が存在する世界で、収穫祭と言う
 
お祭りがもうすぐ始まろうとしていました。今年は七年に一度のエールが
 
満ちる年。主人公のレスターはエルタリアと言う都市の冒険者クランに
 
所属するアイテム技師。収穫祭前に様々な出会いがあり、それが主人公を
 
思いもよらない大冒険に導く(一部公式ホームページより抜粋)と言った
 
感じですかね。
 

総プレイ時間は 20 〜 25 時間で共通ルートは 3 時間前後。個別ルートは
 
1 時間半前後です。4人のメインヒロイン達はクリア後にそれぞれアフター
 
ストーリーが解放されますが、ほとんどHシーンだけなんでプレイ時間は
 
それほどかからないと思います。1 つ 15 分ぐらいですかね。それ以外に
 
2 つのエクストラストーリーがあり、本編 2 週目で出現するクエストを
 
クリアする事で解放されます。本編の分と合わせエクストラストーリーの
 
プレイ時間は 2 つ合わせて 2 時間前後ぐらいになると思います。攻略順に
 
ついては チェルシー→アニエス→ミネット→カリーナ をオススメと
 
しておきますが、そこまで神経質になる必要はないです。この攻略順の
 
理由はチェルシーの個別ルートで、語られる内容を知っておくと色々と
 
他の個別ルートで心情を理解できるから早めにプレイした方が良いと
 
考えたのと、カリーナの個別ルートが一番この作品のタイトルに合って
 
いると思ったので最後に回しています。アニエスの個別ルートでは途中で
 
チェルシーとのやり取りの中チェルシーの個別ルートで語られる内容を
 
知っておいた方が心情を理解しやすいと思ったからです。それぞれの
 
事情を考えるとこの順番が妥当かなと思いオススメとしましたが、別に
 
この順番でなくともそこまで大きな問題はないです。それからアフター
 
ストーリーの方はメインヒロイン達は解放されたら、それ以外の 2 つの
 
エクストラストーリーは好きなタイミングでどうぞ。

シナリオ
共通ルートでは、様々な出会いと思いが交錯する中で主人公はクランの
 
仲間たちと共に色々な冒険を繰り広げていきます。本編での 2 章の中盤
 
辺りを超えたら個別ルートに入ります。こちらでは様々な運命が交錯した
 
結果、発生した大事件を主人公とヒロインとクランの仲間たちや様々な
 
人達の力を借りて解決していくと言った流れです。
 

まず、優れている所から書きます。それは登場人物の心情や心理の描写の
 
上手さです。様々な登場人物の視点から描写する事で理解しやすくなって
 
いると思います(納得できるかは別にして)次に気になったことですが
 
やや、ご都合主義な所や各個別ルートとの整合性が取れていない点が少々
 
気になりましたね。致命的な破綻とまでは言わないですが、全体を通して
 
見ると、この個別ルートの設定だと確実にこっちの個別ルートに影響が
 
あるんじゃないの?と思うような内容がいくつかありました。この辺りの
 
すり合わせがもっと上手くいっていればもう一段上の出来になっていたと
 
思います。それから各個別ルートそれぞれについてですが、私としては
 
それぞれに テーマのような物 があるように感じていました。ミネットは
 
成長。カリーナが距離感。チェルシーが絆。アニエスは少々複雑ですが
 
繋がる力と言った感じですかね。このテーマを軸にして個別ルートは
 
進んでいたように思います。個人的にはアニエスの個別ルートが一番
 
好きですね。やや、ありきたりや陳腐と言われかねないですが、ラスト
 
バトルの展開やそれに至るまでの流れは中々熱く、繋がる力と言う物を
 
存分に見せてもらいました。それと、アニエスと恋人関係になるまでの
 
流れも、各登場人物の上手な心情の描写で良い出来でした。アニエスや
 
主人公の描写も良かったですが、一番はカリーナでしょうね。今までの
 
想いや気持ちがありながらアニエスの背中を押すあのシーンは、中々の
 
出来だと思います。自身の個別ルート以外でカリーナが 一番輝いていた
 
シーンです。最後に 2 週目以降に開放されるエクストラストーリーに
 
ついてです。アフターストーリーについてはほとんどがHシーンなので
 
シナリオとしては、評価できる点が少ないので割愛します。トルティア
 
姉妹編はある程度想像出来る内容で話が進んでいき、良くも悪くも無難
 
と言った感じでしたね。ただ、姉妹の魅力や新たな一面を垣間見えたので
 
決して悪くはなかったです。ニナ編については評価が中々難しいです。
 
賛否が分かれそうなあの終わり方。ただ、あれにニナと言う人物の全てが
 
詰まっているように私は感じているので、シナリオとしては悪くないと
 
思います。まあ、そうは言ってももうひと捻りあってもいい様な気は
 
しますけど。

グラフィック
一枚絵の出来も悪くなかったですが、豊富な立ち絵の数に驚きました。
 
SD絵っぽい物からちょっとした表情の変化や後ろ姿など中々の数だと
 
思います。私は一枚絵だとカリーナの個別ルートの一番最後で表示される
 
一枚絵が好きですね。2 人の距離感や関係性を上手にあの一枚絵で表現
 
していたと思います。

音楽
まず、何と言ってもオープニング曲でしょう。曲自体のレベルの高さも
 
評価する所ですが、使い方も上手でしたね。エンディング曲はヒロインに
 
よって変化しますが、個人的にはチェルシーの個別ルートの曲が好きです。
 
また、タイトルに銀色を入れている所はよく分かっていますね。BGMは
 
割と穏やかな物が多い印象ですが、戦闘シーンや緊迫する場面も多いので
 
それにあったBGMもあります。 戦悟と畏怖 は割とそれ系では印象に
 
残っていますね。評価としては、オープニング曲の 祝福のカンパネラ に
 
助けられた感じは否めませんが、各エンディング曲も良い出来だったので
 
この評価に落ち着いたと言った感じです。

キャラクター
一番好きなヒロインは、やっぱりカリーナになりますね。ですが、それは
 
他のヒロインの個別ルートでの立ち回り まで含めた結果ですね。何と
 
言うか、ひたすらに 良い女性 他のヒロインの個別ルートで輝く
 
私は思います。共通ルートの時点で彼女の想いや考え方を知った上での
 
自分の個別ルート以外での立ち回り方。特にアニエスの個別ルートでの
 
あの対応。もうね、ひたすらに 良い女性 過ぎる。そんな彼女が自分の
 
個別ルートで見せる幸せそうな表情は良い物だと思います。アニエスや
 
チェルシーも悪くはなかったですよ。ただやっぱりカリーナの厚い壁は
 
超えられなかったです。ミネットは何と言うかヒロインと言うより娘の
 
印象が強すぎてそこまでヒロインとして は好きになれなかったですね。
 
主人公のレスター君は評価が分かれそうな主人公でしたね。私としては
 
あの両親のもとで育てられ母親からのあの教育を受ければあんな性格に
 
なるでしょうし、そう言った対応や反応になるのは当然だと思います。
 
一方で優柔不断や鈍感と言われかねない面もありますし、モテモテな
 
所が気にくわないという人もいそうですね。私は、割と好きなタイプの
 
主人公ですが。最後にサブキャラクターについてです。主人公の所属する
 
クランの事務や管理をおこなうニナさんやライバルクランの看板美人
 
トルティア姉妹。主人公やカリーナの両親など魅力的なキャラクターが
 
何人もいますが、個人的にはニナさんを推したいですね。エクストラ
 
ストーリーのシナリオは賛否が分かれそうですが、私はアレも 1 つの
 
愛の形 だと思います。ニナさんの性格や心情を考えた上でニナさんの
 
決断なので、私は割と賛の気持ちですが。

Hシーン
回想シーンはメインヒロインが各 4 つずつでそれ以外に 4 つありますが
 
Hシーンの無いエピローグも回数に入れているので、これより少ない回数
 
になるのですが、1 回辺りの濃さがそこそこあったり、2 回戦をやったり
 
していますので、最初に書いた回数分のボリュームはあるのではないかと
 
思います。プレイについてはパイズリやフェラぐらいでそこまで特殊な
 
プレイはないですが、アフターストーリーのHシーンで髪をおろしている
 
アニエスやミネットはイメージが大分かわりましたね。特にアニエスは
 
個人的にグッと来ましたね。

最後に一言
評価が少々甘いのは認めますが、そんなに酷評される作品ではないです。




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