初めに(前書き)

今回はエロゲのレビューではなくて、ファイアーエムブレムの新作。
エンゲージ を一度クリアした時点でのレビューというか感想に
なっています。 ネタバレ は極力なしですが前作の 風化雪月 や
それ以外の歴代作品と比較して書いている部分もありますので
その点はご了承ください。

総評

やりたかった事は伝わるけど、それを丁寧に描写していない。
というのがクリアして思った事ですね。前作の 風化雪月 は
世間的な評価は高めですが、個人的にはシステムを複雑に
しすぎた事や完全クリアまでに 4 週も必要な事などから
楽しみながらも面倒な部分が目立っていたのですが、今作は
その部分が緩和されていたので、そこは評価しています。
一方でシナリオ面での繋がりの悪さやキャラクター達の感情
表現の描写不足などが気になりましたね。まあ、これは前作の
風化雪月 が良かっただけにそこからの落差でそう感じている
部分もあると思いますが。そして今作の目玉ともいえる過去
作品のキャラクター達との描写関連は強すぎず弱すぎずで
いい塩梅だったと個人的には思っています。また過去作品を
プレイした人には分かる小ネタもいくつか仕込まれていて
「世界ひろし」や格が違うセイジなどは元ネタを知っていると
嬉しくなりますね。

シナリオ

うーん。基本は王道的ですね。世界に危害を加える邪竜を倒す
ために目覚めた神竜が各国の王子や王女達と共に邪竜討伐を
目指す…的な流れです。いくつかの伏線を仕込んではいますが
そこまで複雑なものはなく、ある程度過去作品をプレイして
いる人なら何となく先の展開は予想出来るレベルのものです。
個人的にはシナリオの展開が一方的で主人公一行が棒立ちして
いる間に重要な出来事が起きたりしてどうしようもなくなって
いくような展開に見えたりしてしまっているので、ここは改善の
余地があると思います。後はシナリオ後半の敵の心情描写が
もう少し唐突ではなく尺を割いて欲しかったです。それなりに
敵対している相手にも事情があると言うのはある意味、伝統的な
流れですが、そうなった 経緯 を前々から描写せずにいきなり
表に出されてもプレイヤーは「はあ…それで?」と感じるの
ではないかと思います。この辺りを上手く描写出来ていれば
もっと良い評価になっていたでしょうね。

グラフィック

戦闘アニメーション等は前作の 風化雪月 と比べても良くなって
いると思います。また、各イベントシーンでのアニメーションも
悪くないです。ただ、個人的にはそれよりもエンディングでの
一枚絵の使い方が印象的でしたね。各キャラクター達の本編後の
一幕をああいった形で垣間見えたのは非常に良いです。それと
支援会話の到達点での一枚絵もいいものでした。もっとも私は
まだ 4 キャラクターしか見ていませんが。

音楽

オープニング曲であり主題歌の Emblem Engage! は最初は
色々と思う所はありましたが、何回か聞いているとそこまで
悪くはないかと思うようになりましたね。アレンジの方は
BGMバージョンで作中に何回か流れましたが、こちらは普通に
良かったと感じました。エンディング曲の 絆炎 はサビが
オープニング曲に近いメロディーでしたが、こちらはとても
印象に残りましたね。グラフィックでも書きましたが一枚絵
との相乗効果で少し泣きそうになりました。

キャラクター

ぶっちゃけ一周では育成しきれなかったキャラクターが沢山
いるので、魅力的なキャラクターがまだまだ眠っていると
思いますが現状だとアルフレッド、セリーヌ、クロエに加えて
ディアマンド、アイビー、ヴェイル、辺りは印象に残って
います。特にセリーヌは一週目の支援会話の到達点に達した
キャラクターで、ファイヤーエムブレムとしては割と王道的な
お姫様キャラクターでしたね。主人公との支援会話では彼女の
芯の強さと弱さの描写のバランスが上手でした。逆に兄である
アルフレッドとの支援会話では兄を蛮族呼びしたりと主人公の
支援会話では想像しにくいありのままの彼女がみられたりも
します。

最後に一言

大きな文句は稼ぎにくい事とシナリオのぶつ切りぐらいで
後は及第点以上の出来ではないかと。


 
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